昨年12月に相次いで結婚&入籍発表を行った、オダギリジョーと麻生久美子の主演映画『たみおのしあわせ』完成披露試写会が15日に行われた。
TV「時効警察」シリーズでもおなじみの2人が今回演じるのは、“しあわせになりたいカップル”。お見合いを通して結婚という目標に進む、結婚適齢期の男女をコミカルに描いた物語だ。

舞台挨拶に出席したのは麻生久美子、原田芳雄、小林薫、大竹しのぶ、武藤昭平(勝手にしやがれ)、劇作家、演出家として役者からも絶大な信頼を得ている岩松了監督といった超豪華な面々。
麻生は本作に出演することになった経緯を、「『時効警察』のときに、オダギリさんから“この話がきたら受けた方がいいよ”と言われていたんです。若松監督とお仕事するのは『時効警察』に続いて2度目になりますが、私は監督の考えたせりふがとても好きなので、とてもうれしかったです」と笑顔で語った。

岩松監督は、「実はオダギリさんと麻生さんというキャスティングは『時効警察』に入る前から決めていたんです。オダギリさんからはOKをもらっていたんですが、途中でこの話自体が流れそうになってしまったため、麻生さんまで話がいかなかったんですよ(苦笑)」と話し、本作の映画化までのいきさつを、「元々これは20年前に書いたものなんですが、その際に何度も書き直しを命ぜられた上、最後はボツになるという苦い経験がある作品なんです。ずっと恨んでいたので、いつか世に送り出してやるという気持ちでいました。今回こうして映画化できとてもうれしく思っています」と述べた。

オダギリの父親を演じた原田は、「息子役のオダギリさんとは探りあいの毎日でしたよ。監督からのダメ出しもすごかったですし……。でも、“ああしろ!こうしろ!”ではなく、一言で発想が広がるようなダメ出しだったので、それは有難かったですね」、そんな原田についてのエピソードを大竹が振り返った。「撮影中に蕎麦屋さんでオダギリさんたちと、“愛について”討論していたんですが、ふらっと来た原田さんが発した一言で皆が“なるほど”と納得してしまったのが面白かったです(笑)」。

岩松監督は舞台で見せる顔と、映画の現場で見せる顔が大分違うようでそれを小林から指摘されると、「舞台では何ヶ月もかかるから調子にのっている役者を見るといじめたくなる。でも、映画は一瞬で終わってしまうから良い人間関係のままで終われていいじゃない(笑)。映画はとりあえず楽しいから、健康のためにも定期的に撮ったほうがいいかもなぁ」と話し、場内の笑いを誘った。

最後に、“本当にしあわせとは何か?”という本作のテーマにひっかけた質問に、
「とりあえずこれを観た皆さんの気持ちが、そうなっていればと思います」(監督)
「最近“死”を身近に感じるんです(笑)。いつ自分も周囲の人も死ぬかわからないから、生きているだけで幸せだと感じます」(麻生)
「幸せも愛もいっぱいはいらない。ほどほどがいいですね」(原田)
「“幸せ?”と聞かれたら“幸せだ”と答えますが、なんか寂しい……(苦笑)」(大竹)
と、それぞれの幸せの価値観を明かした。

(Report:Naomi Kanno)