「お客様は悪魔です」という印象的なキャッチ・フレーズ。見えない恐怖・狂気に満ちた人間心理が描かれているホラー映画『クレーマー』。その初日舞台挨拶が4月12日にキネカ大森にて行われた。金子大志監督、柏原収史・小野真弓・長澤奈央・平田弥里・しほの涼・坂本一敏の豪華キャストが勢ぞろいした。会場内は、ユーモア溢れる監督やキャストたちの発言に盛り上がりを見せた暖かな舞台挨拶であった。この作品に参加する豪華なキャストの本作の役作りに関して・・・・
●柏原収史「ホラー映画を演じるのは好きで、楽しかった。でも、お客様相談室というものがどういう仕事なのかは未知の世界だった。だから、2〜3商品お客様相談室に電話してみた。」実際に電話をしたという愛用の野菜ジュースの電話相談室についての話で、場内を盛り上がらせた。
●小野真弓「5歳という大きな子供がいる役は初めて。子役の加藤翼君は甘えてきてくれて、こういう子だったら母親になるのもいいなと思った。もう子供がいる友達もいるので、友達に『子育てはどう?』と聞いたりしました。」
平田弥里は本物のウジムシとの体当たりでの演技・しほの涼は反抗期をむかえた役柄の演技についての葛藤を語った。長澤奈央はこの映画case1・case 2の両作品とも参加しており、「case1・case2と同時に撮影でタイトではあったが、素晴らしい役者・監督のおかげで順調にすすんだ」と話した。

この本作の経緯について映画監督金子大志は、
「最初は携帯電話のホラーという話があがったが、携帯電話のホラーのネタは出尽くしている。そんな中、プロデューサーが『「クレーマー」についてはどうだろうか??』となり、盛り上がったことから。ただクレーマーは電話一本でのことなので、内容で怖がらせようと思った。」
そんな本作へのこのこだわりは「お客さんにとってただ面白く、1時間10分、20分・・と見飽きない作品」ということだ。 他人事には感じられないようなクレーマーという恐怖。現代社会に潜む狂気をリアルに描いた驚愕のサスペンスホラー映画「クレーマー」。暖かな良い雰囲気であった舞台挨拶は、この作品に反映されていることだろう。

(Report:大倉真理子)