よりよく生きる方法さえ知っていれば、人生はきっと変えられる──
そう、心から思える映画『受験のシンデレラ』は、「和田式勉強法」で受験アドバイザーとしても知られる精神科医の和田秀樹が実体験を元に描いた初監督作品である。
29日(土)、監督・キャストを招いての初日舞台挨拶が新宿K’s cinemaで行われた。

満席の場内を見渡した和田監督が、「花見日和なのに、この映画を観に来てくださってありがとうございます。この方々が“サクラ”じゃないことを願います」ジョークを言うと、豊原功補がすかさず「余計なこと言わないでください。でも、確かに“サクラ”だったらショックですね(苦笑)」と便乗し、笑いを誘った。

本作は『受験のシンデレラ』というタイトルだが、決して受験のことだけを盛り込んだ映画ではない。恵まれない環境で育ちながらも、明るくひたむきに生きる<真紀>と、“受験の神様”と呼ばれて地位も名誉も手にするが、突然末期がんを宣告されてしまうカリスマ講師<五十嵐>を通して、【東大受験】【緩和ケア】【格差社会】といったキーワードを観る者に投げかける映画だ。

ヒロイン<真紀>を演じた寺島咲は、「<真紀>は私と同年代なんですが、厳しい状況でもがんばる彼女の姿は私にとっても励みになったし、自分もがんばらなきゃという気になりました」とコメントし、受験の神様になった豊原は「本作には、東大に合格するためのテクニックが散りばめられています。その中でも人間ドラマとして、<五十嵐>が死と向き合いながらも残りの時間をよりよく生きるため、やがて生きがいとなっていく<真紀>の受験を助けるという物語があります。人間この先に何が起こるかなんてわからないので、毎日をよりよく生きることが一番大切なんだと改めて気づかされましたね。良い作品、良い役にめぐり合えたと思っています」としみじみ語った。

高校生のころから夢だったという映画制作に関わって、今の気持ちを和田監督はこう述べた。
「17歳のときから映画を撮りたいと思っていましたが、47歳にしてようやく撮れました (苦笑)。出遅れたけど、ほかの監督は経験したことのないようなこともたくさん経験できたのでそれをうまく活かせればと思いました」
また、「役者さんたちも何も言わなくていいくらいすばらしかった。私の力とは関係なく、とても良い映画に仕上がったと思います」と豊原功補、寺島咲、浅田美代子といったキャストたちも大絶賛した。

和田監督が最も伝えたかったというメッセージ、「やり方を変えれば、人生は変えられる」本作を観てぜひ感じとってほしい。

■劇場窓口で販売しているプログラム(800円)は、ヒロイン<真紀>が劇中で使った“受験計画表”の付録付きです!

(Report:Naomi Kanno)