1日しか記憶の持たないボクが出会ったのは、学生プロレスだった——

デビュー作『タイヨウのうた』で大ヒットを飛ばした、若干27歳の新鋭小泉徳広監督が2作目に選んだのは、甘酸っぱい青春映画。そして主役には監督と同い年の佐藤隆太が、「高次脳機能障害」を負ってしまった青年にガチンコで挑み、そして笑顔で観る者を元気にさせてくれている。そして、ボクの最高の仲間たち、プロレス研究会のちょっと頼りないキャプテン奥寺を演じる向井理、OBでありマスク製作と実況を担当する君島役に宮川大輔、ボクがプロレス研究会にあこがれを持つきっかけとなった人気レスラー・ドロップキック佐田役に川岡大次郎が勢揃いし,初日舞台挨拶を行った。

小泉徳広監督「映画は楽しんで頂けたでしょうか?今日たくさんの映画が公開されている中でこの『ガチ☆ボーイ』を選んだ皆さんはお目が高い!先見の目があると僕は思います。五十嵐くんの障害を通していろいろ教わる事があったんですね。普段僕らが嫌がる様な事の肉体的精神的な傷も、僕らは記憶が残っているからそれらが僕らを形成する一部なんだなって思ったりしました。五十嵐くんから生きるっていう事はどういう事なのかなってもう一度考え直して欲しいと思って撮りました。」

マリリン仮面=佐藤隆太「ありがとうございます。本当にうまく言葉にできないというか嬉しい気持ちです。この映画は去年の7月8月と真夏の2ヶ月間を北海道でみんなで合宿状態で撮った作品で、僕だけでなくキャスト・スタッフ全員が魂の全てと言うか、全身全霊をかけてのぞんだ作品だったので、今日公開されて嬉しい気持ちでいっぱいです。もっと言いたい事はたくさんあります。あの〜本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。」と目にキラリと光るものが。「僕たちが舞台に上がる前に聞こえた拍手にすごく嬉しい気持ちになりました。僕は五十嵐という男に出会えて幸せだったんです。役柄を自分を演じたというより、五十嵐という人物が常にそばにいてくれるような、本当に大好きな人間なんです。ぜひ五十嵐という生き様をみなさんの中に刻んで下さい。本当にありがとうございました!」

レッドタイフーン=向井理「この映画はほんとみんながガチンコで挑んでキャスト・スタッフが愛した作品です。皆さんも愛して下さい。2ヶ月間北海道で缶詰状態だったんですけど、合宿状態のように過ごして。普段ドラマとかは朝おはようございますで、夜お疲れさまですで帰って行くんですけど、今回この映画は朝昼晩、風呂も一緒で、飲んだり芝居の話をしたり、プライベートもずっと一緒でホントの学生の合宿のよう雰囲気が画面に出ていて良かったです。みんなスタント無しでCGゼロで、隆太くんがドロップキックの練習でねん挫したり、大ちゃんが怪我してたり、僕も肋骨一本折ってたり、そんな中でみんなが前向きに歩いて行けてた作品でした。」

チョチョチョッピ君島=宮川大輔「今なんか本当にマリリン!マリリン!って呼ばれながら入ってきたのが、最後の実況してたシーンを思い出して、なんか熱くなっております。アドリブはバンバンありましたよ。ね、監督?でも、うーんそれは止めておこうとかありましたし、これは?っていっても、もとのでいこって言われたり。」

ドロップキック佐田=川岡大次郎「なんかやっと今日公開されてこの映画が完成するんだなと感無量です。マスクを被ってる方とかもいて、僕もアツイ気分になります。(ズバリ、気になるあの歌は?と聞かれて)あれは、監督と佐田像を作るとき、佐田の音楽性について話し合ったんです。それで、ビジュアル系なんだけど尾崎豊チックな歌にしたんです。歌詞に関してはアドリブなんです。5テイクぐらい違う台詞でやりました。曲はあんまり上手すぎてもいけないので、ギターの上手い隆太くんにリサーチして、アイデアを出してもらったんです。」

『ガチ☆ボーイ』旋風はまだ始まったばかり!ぜひみなさんの胸に素敵な記憶を刻んで下さい。

(Report:Niizawa Akiko)