幼い頃にかかった高熱病の後遺症で、年齢は40歳だが知能は8歳のままのギボン。歯が悪いせいで胃を悪くした大好きなお母さんに入れ歯を買うため、マラソンの1等の賞金を目指して走るが…。

 2月25日(月)科学技術館サイエンスホールにて行われた試写会イベント会場には座席が足りなくなるほどの観客が来場した。そして物語にちなんだゲストとして、元マラソン選手の松野明美が走って登場し舞台上でゴール!!

 松野はその登場さながら、トークでも会場を沸かせてくれた。親子の絆が描かれた本作を観た感想は?との質問に、「涙が止まらないですね。派手なアクションはないけれど、観終わった後に内に秘められたメッセージが伝わる映画です」と語り始めた。「ギボンがユニフォームをマラソンのために買う時に‘白がいい’と言ったら、お母さんは‘白は汚れるから黄色にしなさい’というシーンが、私もジャージを買う時に白にしようとしていたら同じようなことを母に言われました(笑)」と、自身の母とのエピソードが重なって思い出したそう。さらに、「田舎で街灯も少ないので、暗い夜道を走るために母が一番忙しい時間に片道4キロ、往復8キロの道のりをバイクで先導してくれました」と感謝の気持ちを表した。

 また、今や二児の母親でもある松野は「ギボンさんのお母さんのようになりたいです。子供の将来を考えてあえて厳しく接するという優しさや、本当に深い絆が感じられました。そして2人の息子にはギボンさんみたいにいつでもニコニコと育ってほしいです。健康でさえいてくれれば嬉しいです」と、母親としての表情を見せた。

 どんなに辛い状況でも、笑顔を絶やさないギボン。松野も「ギボンさんはいつでも笑顔ですよね。素朴な、いつも笑顔で純粋なギボンさんに会ってみたいです。本当に心が温かくなって、涙が止まらなかったです」とギボンの笑顔に心打たれた様子で、「本作は年齢関係なく全ての人に観てもらいたいです。今忘れかけていること、大切なメッセージが伝わる作品です」と語った。

 松野は「ギボンさんと一緒に走りたいです(笑)」というコメントなどで終始会場に笑いを誘っていたが、最後にサプライズで用意されていた息子からの手紙と似顔絵が手渡されると感激した表情を浮かべ、本作のテーマでもある‘親子の絆’を感じさせてくれた。

(Report:Masako Imai)