デビュー作『運命じゃない人』でカンヌ映画祭4冠、国内映画賞8冠の快挙を成し遂げた監督・内田けんじの待望の新作『アフタースクール』が主演に大泉洋を迎え、遂に完成した。
そして13日、TOKYO—FMホールにて完成披露舞台挨拶が行われ、監督・脚本の内田けんじ、主演<神野>役の大泉洋、<探偵>役の佐々木蔵之助、<木村>役の堺雅人、<中学時代のマドンナ>役の常盤貴子、事件の鍵を握る<謎の女>役の田畑智子の6名が登壇し『アフタースクール』への思いを語った。

———内田監督の完成作品への思い

ミーハーな映画ファンとしてこの5人を見ているだけで面白そうだな、素晴しい環境ででき、刺激にもなった。映画ファンとして僕だったら見に行こうと思います。5人をはじめ他のキャストに関しても皆さん個性的な方がたくさんでている作品です。

———出演者同士の印象、撮影に関して

大泉洋:
学生時代から舞台をやっていて佐々木さん、堺さん二人は憧れの俳優でした。女性二人との撮影は楽しかったけど、すぐに終わって後半は佐々木さんとずっといけどもいけども二人の撮影でした(笑)監督の演出は繊細なので息詰まる緊張感のあるシーンが多かったです。

佐々木蔵之助:
二作目とは思えないくらいスタッフ・キャスト含め現場がまとまっていました。芝居を集中できる環境をつくってくれた監督に感謝していて、期待を裏切らない作品になったと思います。

堺雅人:
同世代の人間が集まって同世代にしかわからないことを話しわいわい盛り上がり、同級生ならではの親密な話をしているような空気のなかでの撮影でした。20代後半から30代前半が学生時代から変わるか変わらないかというほろ苦い思いも感じられると思います。

常盤貴子:
大泉さんやメインの方、監督も穏やかだからか、大変なシーンも穏やかにすみ、気持ちいい楽しい現場でした。(物語の展開が複雑なので)あのシーンはこういうことだったよね?と、監督に聞けない部分を話し合って、その解釈を監督が後でまとめ、皆でつくった感のある映画です。

田畑智子:
初めて台本を読んだ時には分からなく、何回も確認して読みました。現場でも台本を確認しながらの撮影でしたが、2,3回観たらまた違う感覚になる作品です。

———撮影現場の楽しい雰囲気を感じられるこんな一面も

内田監督:撮影が梅雨時期だったので大泉さんのヘアメイクが大変だった(笑)
 
大泉洋:今すごい話を展開しましたねぇ(笑)

内田監督:CGでなおそうと。
  
佐々木蔵之助:梅雨時期は北海道にいとけ(笑)

大泉洋:
そんなこと言ったら梅雨時期のオファーがなくなるじゃないですか!ヅラという手もあるし、パンチパーマの役なら大丈夫です(笑)

ある日、母校の中学校で働く教師<神野>を訪ねて同級生だという探偵がやって来た。探偵は<神野>の同級生であり親友のサラリーマン<木村>の行方を捜していた。<神野>は訳の分からないまま<木村>の捜索に巻き込まれてしまう。
人のよい<神野>とどこか影のある探偵コンビが捜索するなかで明らかになる<木村>の真実に私たちは予想もつかないラストへと導かれる—

まるで‘同級生’のような和気あいあいとした空気のなかでつくれた『アフタースクール』だが、複雑な物語展開は何度も観てみたくなる謎が詰まっている。

(Report:masako imai)