『デスノート』シリーズのスピンオフ作品で、松山ケンイチ主演『L change the WorLd』の初日舞台あいさつが9日、丸の内ピカデリーにて行なわれ、監督の中田秀夫、キャストでは松山ケンイチをはじめ藤村俊二、福田麻由子、工藤夕貴、高嶋政伸、南原清隆、佐藤めぐみ、福田響志らが駆けつけた。

初日の初回終了後ということだったが、多くの観客で埋め尽くされた劇場を目の当たりにした監督・キャストたちの喜びを隠し切れない様子が、「もし、今日何か事件が起こって公開中止とかになってしまったらどうしよう……と思ったりもしたので、(無事公開できて)本当によかったと思います(笑)」という松山のユニークなコメントからもうかがえた。

大きな拍手で迎えられた<ワタリ>役でお馴染みの藤村も、「親戚でもないのにたくさんの拍手ありがとう。監督には“なんてすばらしい映画を作ってくれたんだ”と話しましたが、<L>も本当にすばらしい。松山くんじゃなくて<L>がね……」とお茶目な顔を見せ、南原も「僕がFBIの人間を演じると聞いたときはビックリしましたが、高嶋さんが役作りせずに素のままで悪役を演じたことにもっとびっくりです。まぁ、ああ見えてもとんでもないワルですからね」とにんまり。そのコメントを受け、高嶋も思わず「芸能界でやっていくには、ある程度ワルじゃないと!(笑)。本作は日本映画とは思えないほどスケールが大きいし、<L>と子供たちとの心の交流も中田監督ならではの細かい演出によって描かれていて本当にすばらしいです」とアピールした。

日本・韓国・香港・台湾・タイでの同時公開をはじめとし、すでに世界8ヶ国で公開決定している本作では、前後編では見られなかったLの新たな素顔が発見できる。2年間の中で3回も<L>を生きた松山は今の心境をこう述べた。
「今まで同じ役をこんなに何度も演じたこともないし、こんなに長い期間関わったことはありませんでした。スタッフたちと共に<L>を追求してきたこの2年間はとても多くのことを学び、この役を通して”松山ケンイチ“という人間を多くの方々に知っていただき、受け入れてもらいました。芝居や生きることへの価値観も<L>と出会って変わったと思います」

<L>という人物を通して松山自身、俳優としても人間としても大きな成長を遂げたようだ。さらに映画と結びつけたこんな言葉で最後を締めくくった。
「どんなに偉大な人間でも一人では世界を変えることはできない。だから自分を大切に、そして身近な人をまず大切にすることが一番重要なことだと思います。それを皆ができるようになれば、きっと世界も変えることができると思います」

当日はこの後も都内劇場を監督と共に回り、計10回ほどの舞台あいさつを行なう。松山を気遣う声があがると、「全然大丈夫!皆さんが喜んでくれるなら」と元気よく答え、観客たちを最後まで喜ばせていた。

(Report:Naomi Kanno)