2006年、『デスノート』『デスノート the Last name』と相次いで公開され、前後編で邦画No.1となる超大ヒットを記録。香港・韓国・シンガポール・台湾・マレーシア・タイなどアジア各国でも、社会現象とまで言われる一大ブームを巻き起こした本シリーズの満を持してのスピンオフ作品、松山ケンイチ主演『L change the WorLd』のジャパン・プレミアが7日、東京国際フォーラムにて大規模に開催された。

徹夜組みまでいたという大勢のファンたちの前に姿を見せたのは松山ケンイチをはじめ、シリーズ初参戦となる工藤夕貴、福田麻由子、福田響志、正名僕蔵、金井勇太、佐藤めぐみ、南原清隆、高嶋政信、中田秀夫監督。レッドカーペット上でサイン・握手などのファンサービスを積極的に行い、ファンを大いに喜ばせていた松山だったが、後の舞台あいさつで「先月、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のプレミア試写会に出させていただいたとき、大好きな俳優のジョニー・デップさんがファンの方々の握手やサインにとても気さくに応じているのを見て、”カッコいい!僕も負けられない!“と思ったんです。でも慣れないことをしたので、何回か(サインを)間違えてしまいました……」と頭をかきながらコメントし、笑いを誘った。

しかし、自身の映画の話になると穏やかな表情から一変、真剣な眼差しでこう語った。
「前後編のときから、僕は<L>になるときにテーマにしていることが1つあるんです。それは漫画キャラクターの枠を抜け、この世の中に本当に存在する一人になりたいということ。そういう意味で言えば、今回は<L>の内面がしっかりと描かれていて、より人間味の増した存在になっていると思いますし、内にこもらずに外に出たときにどう変わっていくか本作を観てわかると思います。今、次のステップに進もうとしている人には特に何か感じていただける部分があると思うので、ぜひ観ていただきたいですね」

一方、「元気ですかー!!」と観客席に向かって叫んだのは、<ワタリ>亡き後に<L>の相棒的存在になるFBIの人間<駿河>を演じた南原。南原のノリに若干遅れをとった観客たちに「そこそこのリアクションありがとう」と早速笑いをとり、「本日は映画『スウィーニー・トッド』の試写会に……」と発したところで、「『L』です!」と松山からすばやいツッコミを入れられ、映画さながら見事な掛け合いを即興で見せつけた。

<L最後の23日間>を描いた本作だが、監督はもし自分の命があと23日間だったら「23日間ずっと、今まで僕が撮ってきた作品を観ているんじゃないかな?今からカウントダウンが始まるなら、“一日一善”という言葉があるように、“一日一L(エル)”を実行して毎日劇場に足を運ぶと思います!」と力強いコメントで会場を沸かせた。

「デスノート」シリーズの締めくくりとなる本作は、<L>役で一躍実力派俳優としての知名度を上げた松山にとっても、もちろん監督・スタッフたちにとっても特別な作品になったはずだ。松山がLを演じるのはこれが最後となるが、彼の今後の活躍にも期待しつつ、今は<L>が奮闘した最後の23日間を見届けたい。

(Report:Naomi Kanno)