●1968年メキシコオリンピックのアマチュアボクシング・メダリスト、森岡栄治の波乱に満ちた人生を娘の視点から描いた映画『子猫の涙』が初日を迎え、舞台挨拶を行った。
登壇したのは森岡栄治の実の甥である森岡利行監督、武田真治さん(森岡栄治役)、藤本七海 さん(娘の治子役)、紺野まひるさん(妻の和江役)黒川芽以さん(治子の先輩役)の5人。

●森岡栄治はボクシング界から引退後、仕事は続かず喧嘩っ早くてスケベなダメ親父。でもどこか憎めない。演じた武田さんは「実際の甥である森岡監督に色々お話を伺いました。自分の中であたたかいものが広がり、素直に演じることができました。」と語った。元々趣味がボクシングでもある武田さん。そのボクサー姿は森岡監督もお墨付きだ。
娘役の藤本さんとは映画さながらなじめない関係だったようだ。「こんなになつかない子役も初めてです。監督に相談しましたよ。(笑)」と悩んでいたことを告白。まさに等身大の親子関係がスクリーンに映ることになりそうだ。

●藤本さんは「映画のお仕事初めてで緊張しました。毎日充実して楽しかったです。」と高い声でかわいらしくコメントした。夫に嫌気がさし、家を飛び出す妻役を演じた紺野さんは「こんなに怒ったり泣いたりする役を演じるのは初めてでした。今思うと大変でしたね。」と苦労話を笑顔で語った。黒川さんは治子のバレエ教室の先輩を好演。「治子と恋の話をして、かわいらしいシーンになっていればと思います。七海ちゃんがかわいくてしょうがなかったですね。」と満面の笑みを浮かべた。

●最後に森岡監督は「大変なこともありましたが、終わったら苦労も忘れました。撮影は楽しかったですし、出演者やスタッフが魂を込めて作りました。」と感無量な表情を浮かべた。
広末涼子さんが治子とぶつかる森岡栄治の愛人役を好演している。一段と寒さを増すこの冬に、昭和のヒューマンドラマで心あたためてみては?

(Report:Hiromi Kato)