一度聞いたら忘れることのできないタイトルだ。青春恋愛映画『人のセックスを笑うな』が、シネセゾン渋谷で初日舞台挨拶を迎えた。

原作は山崎ナオコーラのデビュー作だ。19歳の青年・みるめには『デスノート』でブレイクした松山ケンイチ、39歳の人妻・ユリには『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の永作博美。恋のせつなさを体当たりで熱演した。脇を固めるのは蒼井優、忍成修吾。
豪華キャスト4人と井口奈己監督が役柄の魅力と撮影エピソードを語った。

●永作さんにみるめのかわいさを聞くと「ユリの発言に対して嫌がりながらも最終的にはやってくれるところですね。服を脱がす場面で、ものすごく嫌がっていて、永作博美的には、早く脱げよ〜もう手がないんだよ〜ってなりましたが。」と笑顔で観客に語った。

●今度は松山さんにユリのかわいさを聞いた。「良い雰囲気なのに踏み台昇降するところとかおもしろくて、ユリのムードの中で翻弄されました。素敵な女性だと思います。僕の中で永作さんはユリです。これから違う現場で一緒にお仕事したら支障出ますよ。敵役なのに好きになっちゃったりとかして!」と会場を笑わすが、本人はいたって真面目。ユリの魅力を訴えるように語った。

●ユリに魅了されたのは蒼井さんも同じのようだ。「なんてかわいい人間なんだろうと。映画でユリが出るたび胸がきゅんきゅんしました。」と目を細めた。男の人を翻弄させるユリみたいな役をやってみたいかと聞かれると、「…永作さんにしかできないです。」とはにかむような、困ったような顔を浮かべた。

●忍成修吾さんはお気に入りのシーンを語った。「優ちゃん演じるえんちゃんが、頭をぶつけてバックミラー壊しちゃったところですね。すごくかわいらしくて好きです。それはハプニングだったんですが、本編にも使われたので嬉しかったです。」と調子の悪いマイクと格闘しながら語ってくれた。

●映画の魅力がたっぷりと語られたあと、最後に井口監督は「奇跡のキャスティングです。みんなカメラの前で献身的に生きてくれました。」と声を震わせながら挨拶した。

非常に長いワンカットの中に恋をしている二人がいる。この冬にリアルなせつなさを感じてみては?

(Report:Hiromi Kato)