“ヤクザ”と”東京23区”。作る作品にこの二つのテーマを盛り込めば、何を作ってもかまわないー。一作品に10万円が”食事代”として支給されるのみ。そうして出来上がった26作品が、YOUTUBEにひっそりとアップされるやいなや、みるみるうちに65万ヒットの快挙!海外映画祭にも出品され、大きな衝撃と評判を得た『893239(ヤクザ23区)』のDVDBOX(12/21発売・新作4本を含む)発売を記念して、12/18(火)にDVDBOX発売と『893239』解散記念パーティが行われた。

当日の会場には関係者を含む500人以上もの来場者が見守る中、辻本総括プロデューサー司会のもと、撮影されていなかった区(文京区、荒川区、品川区、中央区)、『893239』のメイキング、世田谷区編『だいちゃん』のアナザーストーリーの舞台化『壊れゆく時を超えて』のメイキングの特別上映が行われた。

乾杯の音頭は、世田谷区版『だいちゃん』を監督、その後『だいちゃん』のアナザーストーリーとして舞台化された『壊れゆく時を超えて』の演出も手掛けた、俳優の水上竜士。『3年間、お疲れさまでした!』のかけ声とともに乾杯。和やかな雰囲気の中、新作の『正義くん』(文京区)『やくざハンター』(中央区)の上映が進む。

上映後、『893239』の功労者として、辻本プロデューサーから5人が表彰された。ガンエフェクトとして映画、テレビなどで活躍し、各作品の入れ墨を作成、自身も『高円寺ぶるうす』を監督した栩野幸知氏が『すてきな入れ墨をありがとう賞』。芸能事務所フェイムステージ社長で、今回はキャスト面で多大なる協力をしていただいた唐木沢良美氏が『いっぱいフォローしてくれてありがとうで賞』。『893239』のスチールをほぼ撮影した四宮孝仁氏が『四宮さんの写真がなかったらこんなに盛り上がらなかったで賞』、伝説の8mm作品『夢で逢いましょう』(主演:ひさうちみちお)を監督し、映画学校の講師も務める植岡喜晴氏が『予算いっぱいオーバーしたで賞』。そして最優秀893239賞は水上竜士氏が受賞した。それぞれ『893239』のポスターとそれぞれにあったプレゼントを辻本プロデューサーから手渡されると、皆、3年間を振り返り感慨深そうであった。

続いて新作2本『やくざミッドナイト』(荒川区)『うたわないやくざ』(品川区)が上映。

上映後、今回の企画発起人である神宮前プロデュースの辻本プロデューサー、望月プロデューサー、増井ディレクター、金森ディレクターから一言ずつ挨拶した。

金森永奈氏:解散と聞いて、もいっちょやれないかな、と思うぐらい面白かった。やめるのやめませんかね?(笑)。ともあれ、こうやってDVDBOXも発売されるので、是非皆さん見ていただきたいです。

望月正仁氏:3年間、長かったようであっという間に通り過ぎていきました。感慨深いものがあります。本当にご協力いただきありがとうございました。

増井公二氏:もともと、自分が辻本さんに何か企画ないですか?と訪ねられたとき、15分ぐらいで考えたのが『893239』なんです。そういったいわば思いつきの企画が、こうやっていろいろと話題にあがり、今回DVD発売に結びついたと思います。何の制限もない、ということを大事にしていたので、結果個性的な作品が集まってくれて本当にうれしかったです。

辻本好二氏:今回、いろいろな作品を集めるにあたって、いろいろなジャンルが集まってくれるように、どう個性が出るようにやれたらいいか、ということ考えていて、ひとつの結果が出せたと思います。これから新しい作品をつくるクリエイター、役者と、いろいろな人と出会えたことが本当に嬉しく思っています。思いつきで始まった企画が世界の観客にまで届いたということは奇跡である、と思っています。それは人との出会いもそうなのですが。これからもその奇跡に立ち会えたらと思っています。皆さん、本当にありがとうございました。

最後に、会場内に雪が降る中、全員でヤクザ23区のかけ声で解散パーティの幕が閉められた。

新作4作品を含めた『893239』DVDBOXは、12/21(金)より全国レコードショップなどで発売される。