12月8日土曜日、映画『マリと子犬の物語』の初日舞台挨拶が行われた。

今作の舞台は新潟県中越地震で壊滅的な被害を受けた山古志村。地震によって引き裂かれた、柴犬マリと家族の再会を描く感動作だ。
今作上映後、目を赤くした観客の前に、マリ役の柴犬を囲むように9人の登壇者が現れた。被災者との出会いや、物語のテーマをみんな感慨深く語った。

猪股隆一監督
「マリがなぜ生き抜けたかと言うと、自分の子犬たちや飼い主たちという“守るもの”があったからだと思います。“守るもの”を持っているものの強さや幸せ、それをマリから教わって映画にしました。」

船越英一郎さん
「新潟の皆さんと一緒に作り上げた映画です。200名から300名のエキストラの方たちは実際に被災された方も居ました。この映画に大変な愛情と情熱をこめて、ご協力を頂きました。」

宇津井健さん
「最初に台本を読んだとき、涙なくしては読めないような作品でした。そして最初の読み合わせで、二人の孫達(広田さん、佐々木さん)の演技に驚きました。」

松本明子さん
「マリと人間たちの絆、兄弟の絆、家族の絆、たくさんの絆や愛がたくさんつまった映画だと思います。実は船越さんは撮影中に、私はキャンペーン中に、親を亡くしてしまいました。今日この会場のどこかに、見に来ているのではないかと信じています。」

高嶋政伸さん
「実際に被災に会われた皆さん、自衛隊の皆さん、ボランティアの皆さんから、途方もない優しさと勇気を頂きました。宝石のようなすばらしい財産になりました。」

小林麻央さん
「完成した作品を見て、あきらめないこと、勇気を持つこと、そして、人と動物との絆、本当にたくさんのことを教わりました。」

広田亮平さん
「山古志村の風景はすごくきれいで、犬もかわいかったです。僕も自分の犬を大切にしなきゃなあと思いました。」

佐々木麻緒さん
「お友達や家族の人たちと一緒に何回も映画を見てくれたら嬉しいです。今日はありがとうございました。」

主題歌を担当した平原綾香さん
「実際に山古志村に行って、畑仕事をしているおかあさんにお話を伺ったら、本当に映画を作ってくれてありがとう、歌を歌ってくれてありがとうと、言ってくださいました。それだけで私は胸が熱くなりました。」

最後に船越さんが「この映画は守りたいということをテーマにしています。守ろうという気持ちが輪になって連鎖したときに、大変な困難や苦境に乗り越えていく力が生まれたんですね。」と力強く言うと、共感するかのようにマリ役のいちが「きゃん!きゃん!」と鳴いた。

(Report:Hiromi Kato)