第8回を数える作家性に高い作品を集め上映する東京フィルメックスが都内で開幕した。
今年は、過去、映画祭で話題になったクリエイターたちの招待作品とカンヌ映画祭の60周年記念作品であるオープニング作品『それぞれのシネマ』で幕を開けた。
林加奈子・東京フィルメックスディレクターの開会宣言と市山尚三プログラムディレクターの挨拶に始まり、コンペ部門の審査員も登壇し、途中参加となる審査委員長のイ・チャンドン氏に変わり、審査員の中で年齢が上であるということをコメントした審査員の撮影監督である山崎裕がオープニングの挨拶を行った。山崎氏は、「『ワンダフルライフ』から撮影監督としてデビューし、まだ10年ほどですが、『誰も知らない』、『DISTANCE』などでカンヌ国際映画祭などを経験し、その経験から多くを学びました。」と世界の映画祭を通じての経験を責任と喜びを感じるコメントした。

オープニング作品『それぞれのシネマ』の上映前には、審査員であり、カンヌ映画祭・代表補佐であるクリスチャン・ジュンヌ氏から舞台挨拶が行われた。
クリスチャン・ジュンヌ氏は、「カンヌ映画祭で多くの日本映画をワールドプレミアで紹介してきたことを語り、今までに溝口、黒沢、今村、大島、勅使河原、小林、小栗、青山、是枝などの多くの監督を紹介してきた。その中でも、私は北野の熱烈なファンであり友人でもある。この作品でも自転車で劇場に訪れた男の自転車のその後も気になります。この映画は、このあとも続くかもしれないですが、素晴らしい監督たちによるそれぞれのシネマをお楽しみください」とコメント。35人に1本3分以内、計120分の大作。もしかするとこれで最後の上映かも。
東京フィルメックスは、25日まで有楽町朝日ホールほかで上映されます。

(Report:Yasuhiro Togawa)