笑いと涙の珍道中!芸達者の面々の初日舞台挨拶
平山秀幸監督、中村勘三郎、柄本明、小泉今日子が舞台の登壇。あいにくの雨の中の初日に駆けつけた観客に舞台挨拶を行なった。

平山監督:8年か9年前に勘三郎さんと柄本さんと3人で酒を飲みながら「弥次喜多」のような映画を作れるといいなと話していました。それから何年か経って初日を迎えました。長い旅のようでまた短くもありです。今日は本当にありがとうございました。
中村勘三郎:こんな長いことスクリーンの自分の顔が映るというのは久しぶりのことで、去年の今ごろですか、撮影をさせてもらいまして、豊かないい時間を過ごさせて頂きました。
柄本明:えーと、本当にありがとうございます。この映画まだ大井川までしか行っておりません。先の旅を続けていきたいと思っております。みなさんよろしくお願い致します。
小泉今日子:映画というモノはこうやって劇場にお客様に来ていただいてやっと映画というモノになるのではと思っています。なので今日はとても嬉しい気分です。皆様の力で私たちを京都まで旅絵雄続けさせてもらえたらと思います。

8年前に3人でお酒を飲みながら企画を進めていったという作品に出たいと思った理由ですとか、出来上がった作品を観ての感想を聞かせていただけますか?
中村勘三郎:作品を観てというのは自分が出ていますからちょっと分らないですね。ただ、『幕末太陽傳』というああいうのんびりしてて、ほんわかしてて、何も無いようで実は何かあるという作品が今時代劇でないよねという話をして。時代劇というモノでなくて、カメラが幕末の江戸に乗り込んでいくようなかたち。なんでもないくせにハードルの高い映画って無いんですかね?と話したら、出てくださいと言われて、江本さんとなら「弥次喜多」のようなテイストがいいと思ったけど、出来上がったのみたらそういうのが出てると思うんです。これといって無いですか、ココが肝だってことが褒められると嬉しいんですね。この映画肝が見つけにくいと思うんです、それを捕まえてくれるお客様が何人かいるんじゃないかという映画です。ただのドタバタになってないでしょ。そういうテイストの映画になっていると思います。

撮影中に入院されたり身体を痛められたり、大変だったようですが。
柄本明:ご迷惑をおかけしてしまったんですが、入院して手術して戻ってきてすぐが首吊りのシーンだったんです。観る前にそのことを聞いているともっと面白いんじゃないかな。途中で蕁麻疹が出てきちゃって、みんなが心配して大丈夫ですか?とか、監督も早く終わらせますからって言うんですけど、なかなかそうはいかず。。でした。

中村勘三郎さんと柄本明さんと共演されて、お二人の人柄がうかがえるなというエピソードはありますか?
小泉今日子:江本さんは本当に辛そうな顔を見ました。本当に心配なんですけど、なんか盛り上がるというか、がんばろうっていう気分にさせていただきました。勘三郎さんは映画は久しぶりってことで、映画の撮影というのは、俳優は待ち時間が長いんですね。すごーく楽しそうにスタッフが働いているのを見ていたり、スタッフに声をかけたりしていてすごく嬉しかったです。
この作品の魅力ってどんなところがあると思いますか?
小泉今日子:世代的にこういう喜劇というのはみたことはあったんですけど、なじみはない世代だと思うんですが。そういう私でも懐かしいという気持ちであったりとか、日本っていいな人間っていいなという気がしましたね。

『しゃべれどもしゃべれども』と今作、落語の作品が続いていると思うのですが、この作品は大井川で終わるじゃないですか?ということはもしかして?
平山監督:皆様次第でございます!

皆さんオファーがきたらどうされますか?
中村勘三郎:それはもちろん。やらせて頂きたいです。
小泉今日子:江戸弁と京都弁の掛け合いとか見てみたくないですか?
柄本明:他の病気にならないように、健康な状態でいたいですね。

監督がこの作品がこの作品に描きたかったことというのはなんだったんでしょうか?
平山監督:描くとか描かないとかっていうより、「弥次さん喜多さん」っていうのは30〜40年前たくさんあった作品なんですね。ただ、どちらかというとB面タイプの企画だったと思います。それを、超A面俳優の皆さんとA面っぽいことをやれたということはとても贅沢なことだと思います。しばらく続いて欲しいなと思います。

『てれすこ』って何だと思いますか?
中村勘三郎:それぞれ違うと思うんですが。てれすこの絵を描いてくれといわれましたが、映画というモノはよくわからないもので、歌舞伎もまだまだ分らないんですが、何かしたくなる気持ちとかありますよね。
柄本明:大げさな言い方をすれば、その時代時代にでてくる噂のようなものが大きくなるっていう。それと「てれすこ」っていう語感がおもしろいですね。これからなにかそういったものを表現する時に、「あの人、てれすこだね。」とかそういう言葉がこれから流行ると!
小泉今日子:現代で言う都市伝説ではないですけど、ひとつの噂が情報がとても早いスピードでうごきますけど、江戸時代というのは人が歩いて口から耳へ、と伝わっていくうちにモンスターになるというか、でもそれが今の時代と比べるとスピードがおおらかでいいなと思いました。
平山監督:藤山直美さんの化身かなと!(場内笑い)

(Report:Niizawa Akiko)