週間文春2004ミステリーベストテン第一位に輝いた雫井脩介のベストセラー小説を映画化した、『犯人に告ぐ』が11月3日に公開を迎え、新宿シネマスクエアとうきゅうにて、主演の豊川悦司、石橋凌、小澤征悦、松田美由紀、笹野高史、瀧本智之監督が舞台挨拶を行なった。

豊川は「今日は11月3日の文化の日ということで、今日封切られる映画はたくさんあるみたいで、その中で一番地味と思われる「犯人に告ぐ」にわざわざお越し頂いて、僕ら一同大変うれしく思っています。でも、内容的には一番面白いんではないでしょうか。」と挨拶。地味で本格的な作品ですねというMCに「さっきはつかみで言いましたが、そんないうほど地味じゃない。日本の映画にしてはきちっとしたエンタテインメント。二時間きっちり楽しめる映画になっていると思います。」と反論した。
初めて悪役を演じた小澤征悦は、「現場に入ってから嫌な奴を演じるにあたって、豊川さんが楽屋にいて、普通にリップスティックを使っていて、唇乾いているのかなと思ったんですが、かっこよい人が普通にやっているのはいいなと思えるんだけど、嫌な状況で見ているときにリップクリームを使っていたら嫌なんじゃないかなと監督に提案したら使って頂きまして、きっかけとして役が広がっていったので。でも僕そんなにいやな奴じゃない。」
豊川「リップクリームは三本くらいもっています。役によって使い分けるんですけど(笑)。
豊川の妻を演じた松田美由紀は、男性の多い現場はどんな感じでしたか?との問いに、「面白かったです。私は豊川さんとのシーンが多かったので。豊川さん大好きです。でも、あまり女性を受け付けないタイプ。(笑)別に男性を受け付けるわけではないですが。奥さんになるということで、微妙にリップクリームがなかったので大変でした。」
豊川と一緒に捜査をする刑事を演じた笹野高史は、豊川と一緒に捜査して意識したところは?との問いに、「豊川さんと親しくなりたいということを意識しました。車の中で今日はこんな話題してみようかな。あんなこと言ったら笑うかな。毎日考えました。「ああ、そうですか」それでおしまいでした。女性だけでなく男も受け付けないようです。それ以来5mくらい下がっておりました。映画俳優っていうのは、役を作って集中して考えているんだなと、尊敬申し上げました。ある日、お酒を一緒に飲みました。そしたら豊川さんヘラヘラでした。それ以来豊川さんが好きになりました。」というエピソードを話すと、会場は笑いに包まれ、豊川は汗だくになり、ハンカチで顔をおさえた。

瀧本智之監督「この年になると、だんだんおじさんがかっこよいなと思うようになりまして、若い頃は色んな物をしょっているおじさんをダサいというか流されることが、かっこわるいと思っていたんですが、最近テレビのニュースを見ていても中間管理職、上からも下からもプレッシャーに耐えて懸命にやっている人がかっこよいと思うようになりまして、そういう映画を作りたいと思っていた時に、ドンピシャのタイミングで来た、そんな映画ですね。」

豊川は最後に、「この舞台挨拶が見終わったあとでよかったと思います。映画が台無しになるとことでした。この映画は僕はすごく面白くて自分でも好きな映画になりました。気に入っていただけたらすすめてください。よろしくおねがいします。」と締めくくった。

(Report:Miwako NIBE)