大阪の下町を舞台に繰り広げられる、夫婦の笑いあり、涙ありの怒涛のエンターティメント!!
中谷美紀演ずる薄幸の女性・幸江は、阿部寛演ずるパンチパーマでヤクザなイサオを心から愛すも、イサオは今日も今日とて、ちゃぶ台返し!
原作は、業田良家による伝説の4コマ漫画であり、中谷美紀出演の『ケイゾク』や、阿部寛出演の『トリック』などでお馴染みの堤幸彦監督が映画化。

第20回東京国際映画祭では、映画『自虐の詩』は特別招待作品として上映されており、六本木にてちゃぶ台返しイベントが行われた。
登場したのは、中谷美紀、阿部寛、遠藤憲一、カルーセル麻紀、主題歌の「海原の月」を歌う安藤裕子、堤幸彦監督。
初めに、安藤裕子により「海原の月」が披露されて、しっとりとした歌の世界観に引き込まれる場内。
続いて出演者並びに監督が登場し、映画についてコメントを述べた。

・中谷美紀:「パンチパーマの阿部さんに惚れながら演じさせて頂きました。カルーセルさんにはここでは言えないような事を色々と聞いたので、いつか”カルーセル麻紀の一生”という本を書きたいと思いました(笑)
監督と仕事をするのは7、8年ぶりでその間に数々の名作を生んでらっしゃるので嬉しい反面プレッシャーもありました。」

・阿部寛:「自分のパンチパーマ姿を見て、意外と似合っているなと思いました(笑)
ヤクザという事なのでビデオ屋で色々な作品を見て、パンチパーマがいいんじゃないかと監督に提案したらOKを頂きました。今日もそのカツラを被ってこようかと思ったくらいですよ。」

・遠藤憲一:「僕は阿部さんと逆で、中谷さんに全く愛されないラーメン屋のマスターの役を演じさせて頂きました。普段はむしろ僕の方がヤクザっぽい役が多いのですけれども、今回は三の線で精一杯演じさせて頂きました。原作のマスターは愛嬌がある感じなのですが、自分はコワモテなので少し不安だったのですが、演じているうちにキモカワイイと言われ、なんかいいかなと思っていたら最後にはキモイと言われてしましました(笑)」

・カルーセル麻紀:「私は幸江とイサオが住む安いアパートの隣に住んでいるおばちゃんの役です。今回このお話を頂いた時に監督にお会いして、”年はいくつぐらいの設定なんですか?”と聞いたら監督がボソッと”40から70まで”と言われて、私はどうするのかしらと思いました。”メイクはどうしたら良いんでしょうか?”と聞いたら、監督は私の顔を見て”そのままで”とおっしゃったんです(笑)
性分でチークを入れすぎて、中谷さんに消すように言われたりしたのですが、出来上がった時に観て、素顔でおばちゃんの役をやった理由がわかって凄く嬉しくなりました。
現場に入った時は阿部さんの頭にびっくりして聞いたら一言”カツラです”って(笑)
中谷さんには最後の撮影で、私の誕生日を祝って頂いて思わず涙が出てしまいました。」

・安藤裕子:「監督とイメージを一緒に膨らませて頂きました。心をほっとさせてくれるような作品に参加する事ができて嬉しいです。」

・堤幸彦監督:「段々寒くなってきていますが、一杯のシチューのような作品だと思って観て頂きたいです。いつもは自分の作品は見直さないのですが、今回は例外で何度も観てしましました。
阿部さんは本当にちゃぶ台返しが上手で、全て一発OKでした。ちゃぶ台返し選手権があったら間違いなく一位ですね。」

最後に、おまちかねの登壇者全員によるイサオの必殺、ちゃぶだい返しが行われた。
特別に用意されたちゃぶ台を前に、「これ本当にやるの!?」と言いつつも観客の「あんたー!」という掛け声を合図に、ちゃぶ台返しは無事成功!
盛大な締めくくりとなったイベントであった。

(池田祐里枝)