“日本一泣ける4コマ漫画”の映画化!阿部寛さんがちゃぶ台をでぇ〜いとひっくり返すのが印象的な映画『自虐の詩』が初日を迎えた。大阪の下町を舞台に元ヤクザ現無職で乱暴者なダメ男と、そんな男に一途に尽くす健気な女の笑って泣けるラブストーリーだ。

初日舞台挨拶には堤幸彦監督、中谷美紀さん、西田敏行さん、カルーセル麻紀さん、遠藤憲一さんが現れた。「あれ?阿部寛さんは…?」という会場の雰囲気の中、スクリーンの中と同じパンチパーマで阿部さんが登場。その姿に観客は大喜び!

●阿部さん「昨日の夜に初日舞台挨拶はかつらで行こうと思いました。かつらはまだアデランスに保存してあるということだったので、頼んで急遽かぶることになりました。」無口な役柄を気にしつつ、低い声で語った。まるで地毛のようなかつらに西田さんも「それかつらだってこと知りませんでした。」と驚き!

●中谷さんは自分の役柄を「一見不幸で大きな幸せを求めていますが“なんだ、近くにあったじゃない”と気づく役柄でした。幸せいっぱい感じながら演じさせていただきました。」とゆったりとした口調で語った。中谷さんの役柄を阿部さんは「本当に尽くしまくってくれたんです。実はすごく幸せな気分でした。」と笑顔で胸のうちを語った。

●遠藤憲一さんは撮影中の中谷さんとのエピソードを語った。「自分は中谷さんに惚れていく役柄です。自分が中谷さんに怖がられるのだけは嫌だなあと思っていましたが、撮影のときに“キモカワイイ”って言われて喜んでいました。でも日が進むにつれて最後は“キモイ”って。(笑)これは見ていただければわかると思います。」

●西田さんは「楽しい撮影現場でしたね。監督は音楽でいうとクインシー・ジョーンズみたいな人でした。色んなプレイヤーを上手くセッションして最終的にブルースのような演歌のようないい感じの音楽に仕上がったんじゃないでしょうか。」と堤監督を音楽業界一のヒット・メイカー&プロデューサーに例えて賞賛した。

●まるでCGのような見事なちゃぶ台返しのシーンは「原作に忠実にやらせていただきました。」と阿部さん。「実際ちゃぶ台返しというのを初めてやったんですが、すべて一発OKでした。」堤監督は阿部さんの新たな能力を絶賛した。「すごく物をゆっくり取るカメラで撮影しました。阿部さんは狙ったところに狙ったように物を落とすんです。ちゃぶ台返し選手権があったら阿部さんは絶対に一位ですね。(笑)それを見ている中谷さんは1秒の間に3回くらい表情が変わるんです。」
●カルーセル麻紀さんはちゃぶ台返しのシーンの中谷さんを「あれ本当にすごいですよね!(落ちていく食べ物を)お箸持って食べようとするんだもの!」と思わず熱くなった。そのシーンをまるでスローモーションのようにゆっくりと真似てみせ、会場を沸かせた。

登壇者も思わずボルテージをあげて語ってしまう“ちゃぶ台返しのシーン”。それだけでも一見の価値がありそうだ。

(Report:Hiromi Kato)