コンペティション出品作品「青い瞼(まぶた)」のゲストによるティーチインが行なわれました。

● 日時: 10月21日(日) 20:28〜
● 場所: Bunkamura シアターコクーン
● 登壇者: エルネスト・コントレラス監督、セシリア・スアレス

多くの観客の歓声の中、エルネスト・コントレラス監督と、かわいらしい服装に身を包んだ女優セシリア・スアレスが登場。ティーチインは2人の微笑ましい挨拶から始まり、日本語・英語・スペイン語が飛び交う、まさに国際映画祭の場にふさわしい雰囲気の中で行われました。
まず監督が「本日は私の作品に足を運んでもらい、観てもらったことを大変光栄に思います」と口火を切り、主演のセシリア・スアレスも「こんなにもたくさんの観客を前にドキドキしています。東京に招いて頂き、ありがとうございます」と挨拶。続いて、下記の様なやり取りが行われました。

司会:「監督の弟さんが脚本を書いたと聞きましたが、この作品ができたきっかけはなんでしょうか?」
監督:「弟には、ショートフィルムを撮っていた頃から脚本を書いてもらっています。この映画ができたきっかけは、TVで同じような状況を放映していたのを見て、当選したチケットで誰と旅行に行こうかと考えたことがきっかけです」
観客:「この作品の男女関係が興味深いものになっていますが、こだわった点はありますか?」
監督:「私の世代は気づかぬうちに孤独を感じていた人が多かったのです。だから、愛という関係も本物か否かというアメリカの作品のようなタッチではなく、もっと別の形で表現したかったのです」
観客:「印象に残るシーンが多かったのですが、気を遣ったことはありますか?」
監督:「たくさんのことを伝えたい反面、何も伝えたくもない。そんな両極端な考えの中、1つ1つのシーンを大事にして作りました」
観客:「セシリアさんは不幸な女性の役を演じられましたが、どういう点に気を使われましたか?」
セシリア:「人とは、孤独を感じ世間と離れた感情を持つことがあると思います。私もそんな風に思ったことがあり、その時の気持ちを参考に役作りをしました」
観客:「映画の中に鳥がでてきますが、何かの象徴ですか?」
監督:「この鳥は籠の中に閉じ込められたマリナの心の象徴です。外を飛んでいる自分(妄想する自分)を想像するのではなく、籠の中(現実の世界)で暮らす鳥のように、現実を生きるということを表したかったのです」