香港特別行政区設立10周年を記念して、東京国際映画祭の提携企画として「香港映画祭 HONG KONG FILM FESTIVAL」が10月23日に開幕した。会場のBunkamura オーチャードホールにてレッドカーペットイベントを開催、盛大にオープニングセレモニーが行われた。
会場には、香港が世界に誇る三大監督が手を組んで、1本のストーリーを作り上げたクライム“トリロジー”シネマ『鐵三角 TRIANGLE』より、“香港のスピルバーグ”ツイ・ハーク監督。『友は風の彼方に』で香港電影金像奨を受賞し、今ではアクション映画の巨匠として大変著名な、リンゴ・ラム監督。今年の東京国際映画祭のアジアの風でも『マッド探偵』が上映されるジョニー・トー監督に、アクションからコメディー、ラブストーリーなど、ジャンルを問わない演技派俳優、ルイス・クーさんが参加。
また、『男兒本色』からニコラス・ツェー、ジェイシー・チェン、ショーン・ユーの3人が人気スターも登場しました。

ツイ・ハーク「みなさん、こんばんは。東京でみなさんにお目にかかれてとても嬉しい。 」
リンゴ・ラム「東京に来て今日はツイ・ハーク監督に韓国料理に連れていってもらいました(笑)。東京はグルメですね。大好きです。 みなさんにお会いすることも大好きです。」
ジョニー・トー「美食天国ですね。この映画祭でたくさん美味しいものを食べたいと思います。 そしてみなさん、香港映画を応援してくださり、 わざわざ『鐵三角 TRIANGLE』を観に来てくださって本当にありがとうございます。 」
ルイス・クー「ミナサン、オゲンキデスカ?(日本語で。会場から拍手が起こった。) 」

−−−−−鐵三角とは、強い絆、なくてはならない(存在)、という意味だそう。『鐵三角 TRIANGLE』は三人の監督がリレー形式で撮影をしている作品。この企画を最初に持ち出したのは誰からだったのでしょうか?

ツイ・ハーク「考え出したのは僕。直ぐにリンゴ・ラム監督、ジョニー・トー監督に電話しました。 」

−−−−−どのパートを担当するのかは、どのようにして決めたのでしょうか?

ツイ・ハーク「この話をすると長くなりますので短く言いますが、僕が三分の一を最初に撮って、問題を残して二人(リンゴ・ラム監督、ジョニー・トー監督)に応えてもらおうと思いました。台本もありませんでした。とにかくリンゴ・ラム監督に難問を残そう残そう、と思ったんです。リンゴ・ラム監督もジョニー・トー監督に難問を残そう残そう、としたと思います(笑) 」

−−−−−二人は続きを作るにあたって、難しかったでしょうか?

リンゴ・ラム「難問は一切あませんでした。むしろ解決策を与えてくれました。映画は物語と登場人物があれば良いのです。ツイ・ハーク監督はしっかりとしたそれらを作ってくれました。 」

−−−−−どこからがどのリンゴ・ラム監督のパートか、観客は判りますか?

リンゴ・ラム「ツイ・ハーク監督とジョニー・トー監督の作品をよく観ている人は直ぐに判ると思います。判らないところは僕の演出の部分でしょう(笑) 注意深く観てみて下さい。 」

−−−−−ジョニー・トー監督は、最後の部分を担当されているが、ある意味でとてもおいしいが、責任重大でもありませんでしたか?

ジョニー・トー「人物もストーリーも揃っているので、あとは好きに結末を決めれば良かった。むしろやりやすかったです。」

−−−−−それでは結末は、2人の監督に相談なしで決めたのでしょうか?

ジョニー・トー「実は二人(ツイ・ハーク監督とリンゴ・ラム監督)がこの作品の完成したものを初めて見たのは、カンヌ国際映画祭だったのです。その時に文句を言われても困ります。もう手遅れです(笑)(会場からもどっと笑いが起きる)」

−−−−−(ルイス・クーへ)3人の監督に演出されるのはどうでしたか?

ルイス・クー「役者としてとてもいい経験をさせていただきました。このような撮り方はなかなかありません。最初のパートを撮っている時、次はどうなるのかと、共演者たちと議論をして、いろんな考えも深まりました。」

−−−−−この映画の見所はどこでしょうか?

ルイス・クー「三人の評価が高い監督が一つの作品を作り上げているところだと思います。 そんな作品に参加できたことは、とても光栄です。」

『男兒本色』は、男らしさ、という意味。

ニコラス・ツェー「みなさん、お久しぶりです。またお会いすることができましたね。 この映画を、気にいってくれると嬉しいです。 」

ジェイシー・チェン「(日本語で)「わたしはジェイシーです、宜しくお願いします」この映画を気に入ってくれますように。」

ショーン・ユー「(日本語で)「みなさん、こんにちは。私はショーン・ユーです。宜しくお願いします」 」

−−−−−ニコラス・ツェーさんは、お子さんが生まれたばかりということで…。日本のファンのみなさんにも、おめでとうを言わせて下さい。(会場から拍手と、声をそろえて「おめでとう!」)

ニコラス・ツェー「どうして知っているの?(照れ笑い)」

−−−−−派手なアクションシーンが多く出て来ますが、このアクションは見てほしい!というシーンはありますか?

ニコラス・ツェー「特にこのアクションを見てほしい、とか、アクションムービーと定義することには、個人的には抵抗があります。ドラマの部分もアクションであり、アクションの部分もドラマです。ある特定のアクションだけでなく、全体を注目してほしいです。」

−−−−−ジェイシー・チェンさんの、自分自身の見所はどこだと思いますか?

ジェイシー・チェン「どのシーンも一生懸命やりました。皆さんが応援してくれると、僕はまた日本に戻ってこられます!」

−−−−−ジェイシー・チェンさんは初めてアクションに挑戦していましたね。

ジェイシー・チェン「ツイ・ハーク監督や俳優のみなさん、本当によく働きました。実はアクション映画は避けようかと思っていたのですが、今回自分がやってみて、益々みなさんや先輩を尊敬しました。」

−−−−−ショーン・ユーさんは、劇中ではかなりの短髪ですが、これは役作りなのでしょうか?

ショーン・ユー「この映画の前に、違う映画で役柄のために髪を短くしました。その髪でこの映画にも出ることになり、イメージ的なものに苦労しました。 」

−−−−−お互いにライバル意識などは生まれるのでしょうか?

ショーン・ユー「僕達三人は、この映画に出る前から親友です。ですから三人が集まって時間があるときは、どうやって楽しもうか話し合います。ライバル意識はないです。」

以上