9/25銀座にて、日中友好35周年記念作品であり、中井貴一が主演とプロデュースをつとめた映画『鳳凰 わが愛』の記者会見が行われ、主役のリュウ・ランを演じた中井貴一、そのリュウ・ランと運命的な出会いを遂げることになる女、ホンを演じたミャオ・プゥ、そして監督のジヌ・チェヌ監督(敬称略)が登壇した。

今回が中井にとっては初のプロデュース作品となったが、そのことについては、
「プロデューサーとしては、ロケハンやキャスティングなどにもたずさわるようにしました。ただ、日本と中国なので、実際に役者の人と会うことができないこともありました。ミャオ・プゥさんも直接は会えなかったので、資料をみて彼女を選びました。テレビの人気が高い中国で、映画にかけたいと言ってくれたのもうれしかったですね」とコメント。

また、なるべくCGを使わないようにしたという本作では、厳しい撮影が続いたようだが、
「とにかく寒さが日本の比ではなかったんですよ。−30℃くらいしかなくて、日本でそんな気温なのは、冷凍倉庫くらいしかないんです。しかもそこで働く人は30分も連続では働かないらしいんです(笑)。あと谷の中での撮影があったんですけど、そこに降りるには3000段くらいの階段を降りなくちゃいけない。それで、撮影をしたらまた3000段のぼってもどってくる。これは高尾山をのぼってるようなもんなんですよ。これは、ほんとに大変でしたね」と語った。

このことに関して、共演者のミャオ・プゥは
「3000段の階段はたしかに苦労したけど、そこはとってもきれいな場所なんです。だからその苦労にみあうだけの良い撮影ができたと思います」とコメントした。

また監督は
「中井さんが7メートルくらいのプールに飛び込むシーンがあって、撮影のときは気づかなかったんだけど、あとでメイキングをみたら、中井さんが撮影の間にストーブをかかえて頑張ってるのがうつってて、それが個人的におもしろかった」と笑みをうかべた。

本作では中国語のセリフにも挑戦している中井だが、苦労はあったのだろうか——
「中国語は世界一難しいと思いますね。英語などどちがって棒読みで通じるということがないので大変でした。周りが日本人ならいいんだけど、みんな中国人だからセリフを言うときは震えるときもありました」と、やはり中国語には苦労したようだ。
また、中国人とのコミュニケーションについても
「よく言葉はいらないなんていいますけど、あれは嘘ですね。やっぱり言葉は必要ですよ。ただ、撮影が進んでいくうちに、不思議と監督とミャオ・プゥの言葉はわかるようになるんですよね」と語った。

日中友好35周年記念作品となる本作については、
「自分ひとりの力でどうこうできるとは思っていませんが、僕がこうして中国で映画をとれたってことは、平和だってことの証明なんじゃないでしょうか。こういうことがずっと続けられるとうれしいですね」とコメントした。

11/3より、恵比寿ガーデンシネマ他全国順次公開

(Report:Kazuhiro TAKAHASHI)