9月5日(水)、東京都写真美術館ホールにて、ドキュメンタリー『マザー・テレサ メモリアル』(9月15日より東京都写真美術館ホールにて2作品同時公開)の没後十周年・記念上映会が行われた。
イベント当日の9月5日はマザー・テレサの命日で、この日に没後丸十年を迎えた。記念上映会では、ドキュメンタリー『マザー・テレサとその世界』(千葉茂樹監督)、『マザー・テレサ メモリアル 母なるひとの言葉』(アン・ペトリ、ジャネット・ペトリ監督)が上映され、マザー・テレサと関連のある、またはその意思を継ぐ活動をしているゲストが登壇し、「マザー・テレサの言葉を継ぐ」をテーマに座談会を行った。

座談会に登壇したゲストは、アグネス・チャンさん、千葉茂樹監督、山本雅基さん。
アグネス・チャンさんは日本ユニセフ大使として活動し、今年8月には「しあわせを見つける マザー・テレサ26の愛の言葉」を出版。千葉監督は、マザー・テレサの活動をドキュメンタリーで追い続けている。山本さんは
マザーと直接会ったことはないが、「死を待つ人々の家」の日本版ともいえる「きぼうのいえ」を運営、マザーの精神に非常に近い活動をされている。

●アグネス・チャンさん「母校の上智大学で、マザー・テレサが講演を聞きにいったことがあります。
私はもう卒業していたので、なるべく若い格好をして(笑)、学生の方々と一緒に聞きました。
この講演のことを、私は一生忘れないです。つらいとき思い出すと勇気をくれるんです。マザーの本名はアグネスというのですが、私もアグネスで、今年本を出させてもらって。嬉しい縁を感じます。私にとってマザーは暗闇の中の光。私のエンジェル(天使)です」

●千葉監督「マザー・テレサ生誕100年をテーマにいまドキュメンタリーを撮ろうとしています。
そこでいま考えるべきと思っているのが、“渇きをいやす”こと。マザーもよく言っていましたが、最大の敵は無関心です。アンテナの感度をどう良くしていくか。それを考えていかないといけないと思っています。」

●山本雅基さん「ぼくは山谷の中で生きていますが、そこで実感しているのが、愛がない貧しさというものが一番厳しいのではないか、ということです。マザーがいう“実践する愛”はけっして物量ではないんです。量ではなく質で、できることからやっていけばいい。まず相手に関心を持つことから、「あなたが大事です」と伝えることから始められればいいと思います」