「23区」と「ヤクザ」をテーマに26人のクリエイターが監督した10分前後の作品を集めたギャザリングムービー『893239』がDVD発売を記念して記者会見が行われました。
2007年春にYOUTUBEで65万ヒットを記録し、8月のYAHOO!の動画配信でも話題を呼び、海外でも話題に、カナダ・ファンタジア映画祭、プチョン映画祭などの海外の映画祭でも拍手喝采を浴びています。
史上初、20人の監督、出演者が登壇するといった記者会見の中、当日はヤクザにちなんで監督たちはヤクザスタイルで登壇しました。

登壇者
辻本好二統括プロデューサー
山嵐・KAZI氏
増井公二監督(兼『893239』エグゼクティブディレクター)『走るフラメンコ』(墨田区)
植岡喜晴監督『ヤクザと地底人間』(世田谷区)
テヅカ眞監督『撮影ヤクザ』(練馬区)
古澤健監督『NO BORDER,NO 893』(杉並区)
櫻井泰士朗監督『オーバードース』(千代田区)
★大石光志『Last call〜最終回〜』(ロス)
香川今生監督『今日の出来事』(葛飾区)
栩野幸知監督『高円寺ぶるうす』(杉並区)
水上竜士監督『だいちゃん』(世田谷区)
KAZUTAKA監督『ジンとヒロキと妹のアタシ』(大田区)
★殺陣剛太『池袋暴力地帯 侠の花道』(豊島区)
中根克監督『Sweet Knife』(港区)
江草和則監督『ゆびきり』(目黒区)
岡秀樹監督『冬の盃』(台東区)
金森永奈監督(兼『893239』キャプテンディレクター)『指詰超(ゆびきっちょう)』(北区)
横井健司監督『なに、それ……』(渋谷区)
多胡由章監督『墨田区の地場産業』(墨田区)
井上鉄勇監督『真珠』(台東区)
蔵元政之監督『復習〜そして私は踊る〜』(足立区)
杉原憲明監督『ヤクザの宅配便』(江戸川区)
★:主演俳優

辻本プロデューサー:『893239(ヤクザ23区)』は3年前から動いてきたプロジェクトで、プロジェクトと言っても、『893239』という響きから始まったもので、劇場公開であるとかという目的のためではなく、東京23区とヤクザが出てくる、というショートムービーを作りたいと思って続けました。去年の11月27日からyoutubeにあげて……、というのも、この作品に関わった人たちはのべ1000人ぐらいいたので、参加してくれた人たちに観てもらいたい、という意味で期間限定であげたものです。それが僕からすると劇場公開の気持ちで公開したのですが、結果65万ヒット、ということになったわけです。それがきっかけで各媒体に取り上げてもらったり、映画祭に参加することが出来たり、そして今回のDVD発売と、自分を始め、監督の皆さんもこんな風になるとは思ってもみなかったのではないか、と思います。

また、20人の監督を代表して、東東京代表・増井公二監督、西東京代表・テヅカ眞(手塚眞)監督、南東京代表・水上竜士監督、北東京代表・金森永奈監督に一言づついただきました。

増井公二監督(兼『893239』エグゼクティブディレクター)
たまたまプロデューサーの辻本さんと話していて、何かやりますかね、と言われた時、「じゃあ、『893239』をやりませんかね」、とほぼ即答で提案したんですね。辻本さんの人脈の監督と僕の人脈の監督を集めたら23人集まるのではないかということでスタートしました。お金を出した後はその監督たちのやりたいようにしてもらいたいという意向がありましたので、基本はやると決まったらあとはお任せしていました。最初は本当に公開など考えていませんでした。あと、“ヤクザ”と“23区”以外のルールとして、自分の作品が出来上がるまでは他の監督の作品は見ない、ということにしました。これは他の作品を観て、その後作る監督たちに影響を与えないようにするためでした。予算が10万というのもあったので、軽い気持ちで臨んでもらえるだろうと思っていたのですが、出来上がった映画のレベルが意外と高かったのに驚きました。ただ実質的には10万以上はかかっているかと思いますがそれは交友関係だったりでカバーしていたようです。

テヅカ眞監督(手塚眞監督)
この企画は“ヤクザ”と“23区”をテーマにしたもので、面白いなと思い参加しました。増井監督とは30年来のおつきあいで、その増井さんから「力作ばっかりなんだよ」と残念そうに言われまして。じゃあ、僕は力作じゃないものを作った方がいいのかな?と思い作った作品ですので、私の以外は全て力作ですが、私の作品は力作ではありませんので、その辺ご了承いただければと思います。“ヤクザ”という日本の文化を十分楽しんでいただけると思いますので、是非ご覧下さい。

水上竜士監督
最初はこんなに大きくなるとは本当に思っていませんでしたが、人が集まるごとにどんどん話題も増えていき、こういうふうになっているのは本当に嬉しいことです。私は普段俳優や舞台演出をしているのですが、今回『893239』で監督した『だいちゃん』の続編が舞台化することになりまして、ここ(ACBホールB1Fキャバレー跡地)で今週末まで行っております。是非ご覧いただければと思います。

金森永奈監督(兼『893239』キャプテンディレクター)
『893239』を製作した会社に所属しておりまして、監督たちとやりとりする役割も兼ねております。『893239』を世界一観ている監督、と自負しております。 大変だったな、と思っているのは、作品の納期が遅れた、とかですかね(笑)。今後DVDになり、僕以上に観てくれるお客さんが増えることを祈ります。

そして、今回『893239』に共鳴し、テーマソングを作成してくれたHip-Hopバンド山嵐・KAZIさんにいらっしゃっていただきました。

山嵐・KAZI氏
『893239』のテーマソングをプロデュースさせていただきました。いい感じに楽しくやらさせていただけました。是非映像と合わせて音楽も楽しんでいただければと思っております。この作品に関われて本当に嬉しく思っております。

その後のフォトセッションでは、ヤクザスタイルの監督たちに混じり、辻本プロデューサー、KAZIさんともに『ヤクザ』になりきりフォトセッション。途中、記者たちが怖がる一幕も。格好が派手ながらも和やかな雰囲気の中、記者会見は終了した。