ファンが待ちに待ったロバート・デ・ニーロ13年ぶりの監督第二作目である『グッド・シェパード』の来日記者会見が東京ミッドタウン・ホールで8日に行われた。質疑応答の後にはゲストで菊地凛子もあでやかな着物姿で駆けつけ、監督に花束を手渡し、しっかりと握手を交わした。

監督は、「ここに来る事が出来てとても嬉しいです。」と挨拶。初監督作である、『ブロンクス物語/愛につつまれた街』(93)から今回の作品まで13年の歳月を要した事については、「今回の映画に取り組み始めたのは8〜9年前のこと。軌道にのせるのに時間がかかったんだ。映画をつくるということは、相当なエネルギーを要するから、興味があるものでないとできないよ。当時グッド・シェパードに加えて、CIA関係の別の企画をもっていたんだけど、ライターであるエリック・ロスがグッド・シェパードのほうを気に入ったんだ。それで僕はもうひとつの企画を保留にして、エリックに脚本を書いてもらったのさ。」とコメント。今作にかける熱い想いを語った。

キャスティングについては、「映画においてもっとも重要な要素のひとつなんだ。ベテランか素人かというよりも、その役にぴったりの役者を探すことが大切。(エドワードの部下のレイ・ブロッコ役を演じる)ジョンには一番最初に演じてもらおうと決めたんだ。」
作品中で最も大変だったシーンについては、「すべてのシーンが難しかったよ。でも、ジョン・タトゥーロの拷問のシーンは、二日で撮る予定だったのに、四日かかってしまったよ」と、撮影中のエピソードも披露した。

質疑応答が終わると、『バベル』での活躍が記憶に新しい菊地凛子があでやかな白の着物姿で登壇。2人は昨年の11月以来の再会だそうで、菊地はこの映画について、「光と陰のある、すばらしい男の人生だと思います。デ・ニーロ監督を尊敬していて、ファンとして今作を見られて嬉しいです」とコメントした。

(Report:Akiko INAGAKI)