短編・長編のコンペ受賞者達が、クロージングセレモニーから駆けつけ受賞者記者会見が行われた。
登場したのは、短編部門の外山文治監督、川口鉄也監督、阿曽多寿子監督、鈴木専監督、長編部門の俳優のメフメット・エルユルマズ、プロデューサーのアルミル・シャヒノビッチ、マヌエラ・シュタッケ監督、スティーン・ラスムセン監督、ミカエル・ウィケ監督、アンガス・ギブソン監督。
それぞれが受賞の喜びのコメントを述べ、後にQ&Aが行われた。
質問では、フィルムとデジタルの違いなどの質問もあり、それぞれがデジタルに対する思いと今後の展望を述べた。

●外山文治監督(『星屑夜曲』):「とても感激しています。他の短編の二作品はコンピュータグラフィックスを用いてとても上手に作っていて、デジタルテクノロジーの進化を感じました。実写代表として、この賞はありがたいです。」

●あかね丸・川口鉄也監督(『あかね雲—初恋—』)
「このような素晴らしい賞を頂いて感無量です。皆さんに楽しんで頂けるか心配でしたが、上映中笑って頂けて良かったです。海外の方もいらっしゃるので、感じ方の違いや笑いのツボなどが違うのがわかり、良かったです。」

●あかね丸・阿曽多寿子監督(『あかね雲—初恋—』)
「本当に受賞すると思っていませんでした。映画祭という事で、CGのアニメーションが映画として見て頂けたのだと思うと感慨深いです。」

●鈴木専監督(『レッツゴー番長デッドオアアライブ完全版』)
「普段から実写の作品を見る事が多く、今回映画祭に呼んで頂いて、映画を見れて、賞まで頂けて、本当に嬉しいです。もっとこの映画祭に沢山の方が訪れればいいのにと思いました。」

●アンガス・ギブソン監督(『ハートラインズ』):「日本に来るの今日が二回目で、日本で賞を頂くのも今日で二回目という事で、日本と私の関係は特別なものだと考えています。
そして、私はドキュメンタリー映画やTV映画を作っていて、南アフリカに住んでいる間、長編を制作するか悩んだのですが、南アフリカの話が日本でも認められた事が嬉しく、奨励された気持ちです。これからも長編に挑戦していきたいです。」

●ミカエル・ウィケ、スティーン・ラスムセン監督(『スカイマスター、空飛ぶ一家のおとぎ話』)
「まず、今回初来日です。そして私達の作品を喜んで頂けた事が反応でわかりました。実は私達はコンビを組んで25年目で、銀婚式といったところなのです。
今まで、ラジオシリーズやTVシリーズなどをフィルムで作っていたので、今回初めてCGIに挑戦しました。デジタルというのは新しいツールで、色々な可能性があるので技術賞というのは大変嬉しく思います。
ソニーのHDカメラを使ったのですが、ドイツ人の技師の方が調整をしてくれたので、彼にトロフィーを写真に撮って送ろうと思います。本当に、SKIPシティの委員会の方々から良いおもてなしを受けている事に感謝をしたいです。」

●マヌエラ・シュタッケ監督(『月の子供たち』)
「今回、私は長編映画は初挑戦です。国から補助金を頂いて制作できたのも、この脚本賞を頂けたのも、カトリン・ミルハーンの脚本が良かったからです。国に帰ったら彼女にお礼を言いたいです。」

●アルミル・シャヒノビッチ プロデューサー(『空からの贈りもの』)
「監督が来ていないのはとても残念ですが、監督を選んだのは私です(笑)
このSKIPシティ映画祭のファイナル12作品として残った事にお礼を申し上げます。
2回、この映画祭で上映されたのですが、毎回満席になり本当に満足しています。
東京での一番良い思い出が、この受賞となりました。この映画祭は、世界で初めてのデジタル専門の映画祭で非常に意義があるものだと思います。HDで映画を作るのは簡単ですが、なかなか上映ができないので、こうした場を嬉しく思います。私達はデジタル映画のパイオニアになっていきたいです。」

●メフメット・エルユルマズ 俳優(『うつろいの季節(とき)』)
「去年カンヌでこの作品は賞を受賞し、この映画でデジタル映画というものを信頼できたという事を、批評家の方達からコメントを頂きました。デジタルカメラでは、様々な場面で様々な事が可能で、監督のクリエイティビティが発揮できる素晴らしいものだと思います。」

(池田祐里枝)