“映画の未来をつくる子供たち〜世界の映像制作プロジェクトから〜”国際シンポジウムを開催しました。
子供たちによる映像制作を支援する団体が日本を含む4カ国から集まり、第一部は各団体の説明が行われました。

●ピップ・エルドリッジさん(ファースト・ライト/イギリス)
ファースト・ライトはイギリス国内の5歳から18歳までの映画制作を支援しています。現在12,000人以上の子供たちによる800本以上にのぼる作品の製作を可能にしました。映画監督や組織と協力しつつ幅広いジャンルやテーマを扱っています。
「私たちは宝くじの収益金が資本金となっています。国からの資金提供です。多くの子供たちが映画を通じ、努力や協力することを学びます。若者にとって他の国や文化を学ぶことにもなります。映画業界のプロから技術を学びますが、あくまでも子供たちが主役です。もっとイギリスの映画産業を活性化しなければなりません。」

●オースティン・へーベルさん(リスン・アップ!/アメリカ)
リスン・アップ!はマスメディアの中で若者の声を届けるための資源、企画を提供するメディア・ネットワークです。
「技術革新によって映画産業は成長しています。コミュニケーションのツールを持つことによって企業やメディアだけでなく、若者も自らの声を社会に反映することができるようになりました。リスン・アップ!はアメリカの中でさまざまな活動をしている団体を結び情報を共有しています。様々なプロジェクトを国際的な若いクリエイターが連携し、作品を共有しています。」

●スサネ・ワドさん(ステーション・ネクスト/デンマーク)
ステーション・ネクストは様々な方法で映画やテレビやマルチメディアに取り組み、国内の教育的、文化的な中心になることを目指す非営利の文化組織です。
「自己表現の手助けをする映画学校です。子供たちが企画から作品のPRまでチーム一丸となって取り組んでいます。生徒の自主性を重んじながら映画業界のプロが技術やコミュニケーション能力、社交性などを教えています。映画産業の橋渡しを行っています。」

●鵜飼捷一(SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ/日本)
SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザは埼玉県が計画した次世代映像産業創出事業の拠点です。
「映像制作することを通して自己表現やメディアから正しい情報の掴み方を学んでいきます。共同作業を経て初めて映像ができることを子供たちに教え、映像の制作のきっかけとして裾野を広げています。映像制作の楽しさを体験し、いつかSKIP出身のクリエイターとして活躍してほしいと願っています。」

第二部は株式会社キネマ旬報社の掛尾良夫氏をモデレータとして迎え、映画制作を支援する上での問題点などを上記団体の代表者と語りあいました。3時間以上行われた国際シンポジウム終了後もパネラーと参加者の交流が行われていました。

(Report:Hiromi Kato)