本年度アカデミー賞主演女優賞ノミネートされたペネロペ・クルス主演の『ボルベール<帰郷>』が、6月30日初日を迎えました。封切を記念して、ヘアメイクアップアーティスト・藤原美智子さんをお呼びしてのトークイベントを行いました。

強く、たくましくそして美しい女性を描いた本作『ボルベール<帰郷>』を、ヘアメイクアップアーティストとして、また一人の女性として、ご鑑賞前のお客様に向けてお話いただきました。

■華やかな衣装ですね
ありがとうございます。今日のファッションは劇中のペネロペ・クルスの真似をさせていただきました。

■映画の感想は?
サスペンスであり、いろんなLOVEのあるの物語です。アルモドバル監督の人間の根底的なものを探っている作風や色彩感覚が好きで、ペネロペも好きな女優さんなんです。物語に引き込まれましたね。

■ファッションについて
劇中のペネロペのファッションは、普通っぽいけどおしゃれでかわいらしくて。
私たちにも参考にできるファッションだと思います。特に色使いが参考にしてほしいですね。
プラダが衣装提供されているようなのですが、タイトスカートをよくはいていて、それが肉感的でいかにもスペイン女!というイメージの、女性らしい母性を感じさせる衣装ばかりですね。

■メイクについて
ペネロペは、おそらくこれまでにないくらいアイメイクに力をいれていると思います。上瞼にも下瞼にも黒いラインをいれていて、強い感じの人物像を表現してましたね。ちなみに私も今日は目の周りにぐるっとアイラインひいていますよ。

アイラインをしっかり引くと、目力がでる、つまり女っぷりが上がるんです。人の視線を捉える効果があるんですよ。映画でじっくりとペネロペを見てもらってぜひメイクも参考にしてくださいね。

■女っぷりがあがるポイントは?
アイラインですね。難しいと思われるかもしれないのですが“ラインをひく”と思わないで“シャドウ”と思ってもらった方が良いなぁと。パールが入っているグレーブラックでアイラインをひいて、その上からブラウンのアイシャドウをのせると、仰々しくならないで良いですよ。デートなどドキっとさせたいな、と思うときには、こんなスペイン風なメイクがバッチリだと思います。

■男性も楽しめるポイントがあるとか。
そうですね。ペネロペのヒップラインが女性でも見入っちゃうくらい魅力的なんです。なんでもヒップパッド(付き尻)を着けたそうで、そうするとスカートがものすごく女性らしいラインになるんです。実は今日家でヒップパッドを探したんですけど、なかったので…(笑)。あと胸の谷間も素敵ですよね。ペネロペは痩せているだけじゃなくて、とにかくボディラインが美しいです。

■これから観る方にメッセージを。
女性の母性、強さ、そしてたくましさと潔さ。それらが女性の“美しさ”なんだなと思わせてくれる作品です。そして母と娘の強い絆が描かれた、心温まる映画でもあります。
映画館をでるとき、ピンと胸をはって、凛とした感じで映画館を出られる方が多いんじゃないかな、と思います。楽しんでください。

映画に表現された女性の魅力から、実践できるメイク方法まで、藤原さんの話に客席の女性たちは興味津々の様子。大きな拍手が贈られる中、本編の上映が始まりました。

(Report:Yasuhiro Togawa)