“天女の血”を引く女は決して幸せにならない。そんな宿命を背負う17歳、小夜子。ミステリアスな彼女に誰しもが惹きつけられる。

吉田秋生の傑作コミックがついに映画化!6月30日(土)新宿ジョイシネマ3にて映画『吉祥天女』の初日舞台挨拶が行われた。映画『ラヴァーズ・キス』(02)でも吉田作品を手掛けた及川中監督、主演の鈴木杏、本仮屋ユイカ、勝地涼、深水元基が登壇した。

●今まで活発な役どころが多かった鈴木。今回の役柄について「自分とは本当に離れている…男の人を手玉に取る感じとか。私は逆に手玉に取られちゃうので。(笑)撮影しながら小夜子を知っていって最後にはすごい人だなあと思うようになりました。」と小夜子とは対象的に明るく語った。

●一方由似子役を演じた本仮屋は自分と共通点が多かった。「由似子という女の子は小夜子ちゃんにすごく憧れの気持ちを持っていて、私も本仮屋ユイカとして杏ちゃんを尊敬していたのでそこが役柄とリンクしやすかったです。」鈴木のアクションシーンは見たかと聞かれるとさらにテンションがあがった。「見ましたよー!すごいかっこよかったです!」そんな本仮屋のラブコールを受けて鈴木は終始笑顔だった。

●小夜子に翻弄される役を演じた勝地は「小夜子にだんだん惹かれていくのがすごく難しかったですね。頭で考えるというよりは現場の空気を感じつつやらせていただきました。」と苦労話を明かした。また鈴木の演技を絶賛し、本仮屋の演技もナチュラルで惹かれてたと二人の視線を浴びながら誠実に語った。

●深水は「僕18歳の役で当時26歳だったんですけど監督に“思い出して”と言われながら頑張りました。」と苦労話を笑いに変えていた。勝地の義理の兄を演じた深水は兄弟の思いが「最初と最後でどんどん変わっていくところを見ていただけたらと思います。」と語った。

●及川中監督は「原作をリアルタイムで読んでいたころから映画化したいと思っていた念願の企画です。このキャストで映画化できたことに本当に感激しています。」と胸の内を明かした。その後撮影中の様々なエピソードを語り、すばらしいキャストに囲まれていたことを熱く語った。

舞台挨拶終了後壇上から降りるときに鈴木が本仮屋に手を貸す場面もあり、出演者同士の仲の良さが現れた舞台挨拶となった。

(Report:Hiromi Kato)