本年度アカデミー賞主演女優賞ノミネートされたペネロペ・クルス主演の『ボルベール<帰郷>』(6月30日TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他全国東宝洋画系にて公開)ですが、公開を目前に控えまして、本作の持つ女性像のイメージがピッタリの青田典子さんをお招きしてのトークイベントを行いました。

青田さんは本作にちなんだタンゴを意識したスタイルで登場。ドレスはペネロペ・クルスが好きなブランドであるウンガロの真っ赤なドレス。メイクも目元に黒を使うなど、スペインの女性をイメージした青田さんが現れると、客席からは「わぁ、キレイ…」とため息が。

本作『ボルベール<帰郷>』に見る、強く、美しく、我儘に生きる女性の生き方について、“青田流”女の生きる道を語りました。

■今日はとっても素敵ですね。
ありがとうございます。衣装もメイクもペネロペ・クルスやスペインの女性をイメージしてみました。自分自身とても気に入っていますペネロペはどっしりしたイメージをつくるため付け尻を着けていたのだと思うのですが、私もお尻が小さいので今日は用意しようかどうか迷ったけれど…(笑)、そのまま来ました。

■映画の感想は?
久しぶりに女性が観て面白い映画でした。そしてペネロペがこんなに素敵な女優さんだったんだと発見しましたね。これから彼女にハマりそうです(笑)

■どんなところが素敵?
スペイン語の素敵な響きと、そして自然体であることですね。監督の技だとも思うのですが、まるで彼女たちの普通の生活がにじみ出ているようでした

■セクシーなシーンもたくさんありましたが?
不思議なことに、胸をだしていても全くいやらしく感じないんですよね。むしろ母親の母乳を思わせるような。これも監督のうまさだと思います。そしてお尻が大きいこということは、女性のたくましさなんだと感じましたね。ペネロペのあの後ろ姿は忘れられないです。

■劇中に登場する、強く、美しく、逞しく、そして我侭な女性の生き方をどう思う?
強さの裏には脆さがあると思うんです。強く生きていかなければ明日はないけれど、その影には弱さもあって…。母の愛は永遠で、劇中でペネロペは子供が起こしてしまった事件も自分のせいにしてしまうほどの大きな愛をみせています。母親から無常の愛を受けていても、大きくなると一人で生きていかなくちゃいけない。好きな人ができても頼ってばかりではいられない。そこが女性を強くさせるんでしょうね。親であって子供であって女性である。この3つが、女性の美しさを生むんだと思います。お母さんになるってすごく素敵だなと思います。

■ご自身のお母さんとは?
ちょうど先日、母親をミッドタウンに観光に連れてきました。私が9歳のときに離れたことで分かり合えないところもあったのですが、それを今やり直しているところです。そういう点でもこの映画に共感しましたね。そうそう、母娘って不思議で、その観光で母と歩いてるときなのですが、横断歩道で待っているポーズが全く同じだったんです!似るモンですね…。ちなみに母の私への愛情は異常ですね(笑)

母親って子供を、言葉じゃなく、体で守るんですよね。偉大だと思います。私もそんな母親になりたいなとこの映画を観て思いましたね。

■劇中の男性は頼りないですよね…?
私はダメ男結構すきなので(笑)。男の人には私への愛があればいいかなと思っています。自分ががんばればどうにかなる!という点は主人公:ライムンダと似ているかもしれませんね。

■美しさを保つ秘訣は?
私は本当は自分をあまり好きではないけれど、生きてる間は自分しかいないので、なるべく自分を好きであろうとしています。なんでも私は今年、10年に一度の波乱年らしくって…。体が健康になると気持ちも丈夫になるそうなので、スポーツやダンスを最近またやるようになりました。
自分に打ち勝つことほど難しいことってないと思うんです。だから自分で奮い立たせていかないと!と常に思ってますね。それが美しく生きていく秘訣だと思います

■最後にこれから観る方へメッセージを
すごく庶民的な映画です。普通に女性として生きていくことの大切さを、もう一度思いださせてくれる素敵な映画です。“普通であることの素晴らしさ”を実感してもらえれば嬉しいです。

トーク後は強く逞しく、そして美しく生きる女性に憧れる女性10人をバックに写真撮影。胸元には本作をイメージした花が添えられ、華やかな雰囲気の中、イベントは好評のうちに幕を閉じました。

(Report:Yasuhiro Togawa)