仙台在住の人気ミステリー作家・伊坂幸太郎原作で若者たちの友情と恋愛をミステリアスに描いた作品『アヒルと鴨のコインロッカー』が待望の映画化された。映画公開を今週末に控え都内では完成披露試写会が行われ、監督・キャストによる豪華な舞台挨拶も行われた。登壇したのは、今作が初主演となり個性派若手俳優としてドラマや映画で注目を集めている濱田岳、今作で濱田とW主演し今最も旬な実力派俳優の瑛太、ヒロインを爽やかに演じきった関めぐみ、舞台やCMなど幅広い現場で活躍する期待の俳優・田村圭生、今作が俳優デビューとなったお笑いハローバイバイの関暁夫、そして巧妙に構成された物語を、みごとに映像化した中村義洋監督。登壇者が現われると客席からは歓声が湧きあがった。

□登壇者からのご挨拶□

●濱田岳「やっと東京で公開が近づいてきました。映画のタイトルがこれなので、色々な人からどんな映画なのと聞かれてきましたがこれで説明する手間が省けます。(笑)」と少し緊張した様子で挨拶した。
●瑛太「さっき関さん(ハローバイバイ)に緊張したらどうすればいいかな?と尋ねたらお客さんを野菜と思えば良いと言われたのですけど、全然野菜に見えません。」と大勢の観客を前に笑顔で挨拶した。
●関めぐみ「こんなに沢山のお客さんが来てくれて嬉しいです。初日公開を迎えるまではこのメンバーに会えて懐かしいやら、楽しみやらワクワクしています。」
●田村圭生「僕のこと知らない人もいると思うので初めましてから始めさせて貰います。一日にこんなに沢山の人に見てもらえて嬉しいです。」
●関暁夫「近作が記念すべき俳優デビュー作になります。」ともっとフラッシュたいてなど芸人らしい喋りを披露した。
●中村義洋「これまで全国で試写会をしてきましたが、すごい数のお客さんですね。前に急に汗が出てきました。(笑)」と大勢の観客を前に喜びの挨拶をした。

また原作者・伊坂幸太郎さんから試写会を迎えるにあたり寄せられたお手紙も読み上げられた。

□質疑応答□

Q原作を映画化するにあたりプレッシャーを感じることはありましたか?
中村監督「難しいから映画化は多分無理と言われたので原作を読んでみたのです、そしたらこれはどうしてもやらなければならないといったテーマが見えてきました。トリックは後からどうにでもなると思ったので悩んだ記憶はないですね。」と原作から映画化へとスムーズに進んでいった様子を語ってくれた。

Q脚本を読んで初めに感じたことは?
●濱田「よくわかりませんでした。脚本ではお客さまにトリックがわからないまま進んで行くので・・・そしてよくわからないまま仙台に入りました。」と話が上手くまとまらない濱田に対し関が「岳ちゃんは、学力は無いけどそこを楽しんであげてください。」と助け舟を出してあげていた。
●瑛太「全体の流れは掴めましたが、細かいのを理解するのは難しかったです。でも川崎と結う役柄は他の俳優にはやらせたくないと思いました。」と話、役への思い入れの強さが伝わってきた。
●関「全体の流れは理解出来ましたが、細かい設定の所は一人ずつ図式化して理解して行きました。」とキャストも相当複雑な人間模様に理解するまで苦労したようだった。

Q撮影での思い出は?
撮影中に兄弟のように仲良くなったという濱田と瑛太はお互いに遊んでもらったことが思い出でと話し、司会者からどんなことをして遊んだのかと尋ねられると瑛太は「それはいえないです。」と笑いながら煙に巻いた。お互いの印象を尋ねられると濱田は「初めは怖い印象があって・・・なんか難しいかなって」とよそよそしく答えた。一方で瑛太は「まじめで素敵な人」と話した。

□お客さんへ一言ずつ□

●濱田「僕がやった椎名は一番普通な役で、一回目見るときは椎名目線で見て、話が理解できたら違った目線でと何回も楽しんで下さい。」
●瑛太「アヒルと鴨の違いがこの映画を見終わった後にわかると思います。」
●関めぐみ「昨日映画を見ました。面白かったです。私の大好きな作品です。ぜひ沢山の人に見て貰いたいです。」
●田村「客観的に見た時自分の大切なものってなんだろうと思い浮かべました。大切な人やものを思い浮かべてぜひ何回も見て下さい。」
●関暁夫「「ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説」ぜひお買い求め下さい。(笑)」
●中村監督「毎回上映後に落ちなどについて語る舞台挨拶をやりたいなと思っていますが、この映画疑ってかかって見てください。落とし穴があります。」

ミステリアスなストリーを巧みなトリックで描ききった痛快作映画『アヒルと鴨のコインロッカー』は6月23日より、恵比寿ガーデンシネマ他全国拡大ロードショー

(Report:大野恵理)