平家物語なのに主人公はさすらいのガンマン。誰もが銃を使っている。唯一刀をもっている源義経さえも華麗な銃さばきを披露する。保安官も登場する。役者としてクエンティン・タランティーノも出てくる。みんな英語を喋っている。
事前に伝えられていた情報と、約7分間の特別映像を見ただけだけど、この『スキヤキウエスタン ジャンゴ』という映画のぶっ飛び具合は半端なものではない。世界の三池崇史が伊藤英明、伊勢谷友介、佐藤浩一、木村桂乃、桃井かおり、安藤政信、香川照之、クエンティン・タランティーノという俳優(豪華すぎる!!)と一緒に、ワイヤーアクションまで使って、マカロニウエスタンならぬ、和製ウエスタン”スキヤキウエスタン”を世界に向けて投下する。この映画はたぶん確実に日本映画の枠を軽々と飛び越えているし、今後世界における日本映画というものを定義しなおさせる力を持っているのはもはや間違いない!と断言してもいいんじゃないか。

6月11日、クランクアップ記者会見が行われたが、会見が始まる直前まで「クランクアップ記者会見なのに、実はまだクランクアップしてないらしいよ」なんて噂まで記者の間で流れていた。しかし、その噂は間違い。ちゃんとその日の朝7時にクランクアップしていた(セーフ!)。そんな一山を越えた監督、出演者らが出席した記者会見は出席者全員に誇らしげな雰囲気が漂っていた。
「この映画が英語セリフなのは、”日本人の英語”というものを世界に浸透させるため。そうすれば日本映画でも自由に英語を使えるようになり、どんどん世界に向けて作れるようになる」(三池崇史)
「『SAYURI』に負けたくないよね(笑)。中国人にできて、日本人にできないっていうのは駄目じゃない?日本映画も世界に出てもいいんじゃない?」(桃井かおり)
「日本映画盛り上がっているけど、世界で売れているわけじゃない。この作品には”観ろっ!”っていうパワーを感じました」(伊勢谷友介)
「みんなが8歳児のような無垢な無邪気な現場だった。そのこと自体が偉大なるシネマなんだよ」(クエンティン・タランティーノ)

9月、日本映画の歴史的瞬間を待て!

(Report:kenji Hayashida)