大林宣彦監督の最新作『転校生 さよならあなた』6月23日(土)全国ロードショーに先駆け、都内で試写会が行なわれた。1982年に尾道三部作の一つとして描かれた『転校生』は今も名作として多くのファンに支持されているが、今作はリメイクではない新しい『転校生』。舞台は信州に、時代設定も現代に変え、未来への生きる希望を与えてくれる映画として誕生した。

舞台挨拶に登壇したのは、角川映画とソニーミュージックが共同して実施したスーパー・ヒロインオーディション「ミス・フェニックス」にて3万7,749人からグランプリに選ばれ、大林監督に「十年に一度の逸材」と言わしめた実力派で主役の蓮沸美沙子。同じく出演者で準グランプリの関戸優希、審査員特別賞の高木古都。普段から仲が良い3人は、自然体でクラスメートを演じられたという。
ひょんなことから体が男の子になってしまう一美を演じた漣佛は、大林監督について「現場に入る前に「男の子役は不安です」と監督に伝えたら、「男になれるわけじゃなくて、見方が変わるだけなんだから、そんなに重く考える必要はないんだよ。」とおっしゃってくれて、それから一夫を演じるのが楽しくなりました。」と話した。

もう一人大林監督に見初められた俳優の方がいます「斉藤健一さん」と紹介されて本人が登場すると、会場からはどよめきと笑いが・・・。「薄々みんな気付いているでしょ。ヒロシなんですけども。なぜ斉藤健一と名乗っているかは大林監督の意向で、普段はヒロシというピン芸人で立派に一発屋という地位を確立したんですけど、役者として全く経験がないんですね。何もかも捨てて挑んでくれと言われ、あえて本名を名乗らせて頂いています」と明かした。ヒロシの大ファンである大林監督からのラブコールを受けての映画初出演となった。「僕は医大生の役なんですが、びっくりしましたね。左手に虫眼鏡、右手にヨーヨーを持っています。おかしいでしょ?」と役どころを話してくれた。また、撮影中には漣佛から股間を蹴られるシーンがあり、痛みをこらえて体当たりでの演技したという。「私はすごく楽しんでやったんですけど」という漣佛に、「ミミズ腫れになっていました。いいんですよ別に。」と答えた。
「びっくりすると思いますよ。今までのヒロシの印象を全部なくすと思いますよ。絶対やらないキャラですから」と見どころをアピールした。

最後にこれから上映を控えた観客に向け、出演者が挨拶した。
漣佛「二時間の作品の中にはで一美と一男が思いやっていく姿だったり、環境が変わっていってしまうことで家族の大切さが分かったり。たくさんのものがギュッとつまった素敵な作品です。男の子と女の子を楽しんで演じている私が映っています。」
関戸「長野のきれいな景色の中で撮影したので、そういうところも楽しんで頂けるかなと思います。感動すると思うのでハンカチを用意して楽しんでください。」
高木「今回の話、高校1年で中学生の役を演じた。中学生っぽく出そうと思ったとき不安があった。3人やみなさんと優しくしてもらって仲良くなれたので、演じるように自然体で楽しく、なかよく
斉藤(ヒロシ)「大林監督の作品が好きで見ていたんですけど、ノスタルジックで切ない雰囲気を持った映画なので、楽しんでいただけると思います。」

(Report:M.NIBE)