トビー・フーパー監督が20日来日し、21日に都内で三池監督と記者会見を行いました。

両監督が参加する『マスターズ・オブ・ホラー』とは、『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパー、『サスペリア』のダリオ・アルジェント、『遊星からの物体X』のジョン・カーペンター、そして唯一日本人監督として選ばれた『妖怪大戦争』の三池崇史ほか、ホラー映画の伝説的監督たち13人が恐怖の真髄を競うドリームプロジェクト。

ホテル西洋にてトビー・フーパー監督、三池崇史監督を迎えて『マスターズ・オブ・ホラー』記者会見が行われた。
初めて観たホラー映画が『悪魔のいけにえ』で、観あとの2,3日はぼーっとしていたという三池監督は「まさか大人になってからトビー・フーパー監督と隣の席に座って記者会見をする日が来るとは思いませんでした」と感慨深げに語った。
『悪魔のいけにえ2』以来約20年ぶりの来日となったトビー・フーパー監督は三池監督の『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』について「人生で初めて悪夢にうなされました。三池監督は、地球中でもマスター・オブ・ホラーだと思います」。トビー・フーパー監督にべた褒めされた三池監督は、「30年前の復讐ができて良かったです」と話した。
「ぼっけえ、きょうてえ」の映画化について、三池監督は「岩井志麻子さんの原作を映画にするのは自分はやばすぎると思いました。でも角川映画がやれと…(笑)原作を読んでイメージは沸きましたが、それを仕事にするとなるとイメージを抑えなければいけませんでした。抑えて迷宮に入りこんでいき、正気に戻ったら作品が出来上がっているという感じでした」。
また、『マスターズ・オブ・ホラー』という企画について、トビー・フーパー監督は「完全に自由にさせてもらいました。プロデューサーからの注文などもなく、本当の意味で映画制作が出来たと思います。最近のアメリカの映画は会話によって物語が導かれるものが殆どですが、『ダンス・オブ・ザ・デッド』では、行動、ストーリーテリング、編集などによる真の映画作りができました。本当にユニークな体験で、この作品が出来たことに今でも驚いています」。三池監督は「『予算は守ってね』ということは言われましたが(笑)、『オーディション』よりも痛くしていい?と言ってもOKと言われるなど、何を言っても“OK”という返事でした。興行的なことを考えずに作れてステキでした」。

また、記者会見には『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』主演の工藤夕貴が花束を贈呈に登場。ホラーに初挑戦したことについて「昔からホラー漫画が大好きで、興味あるジャンルだったのですごく楽しかったです」と念願が叶った喜びを語った。(t.suzuki)

★『ダンス・オブ・ザ・デッド』『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』は夕張国際ファンタスティック映画祭2006(2006年2月23日〜2月27日開催)でワールドプレミア上映。同映画祭で、トビー・フーパー監督は審査員も務める。

『マスターズ・オブ・ホラー』公式サイト
http://www.moh13.jp/