「騙す者騙される者に捧ぐ。」
題材は難解でありながら、最期まで尾を引く面白さがあった。劇中に引かれている複線があばかれていく様もスリルがありゾクゾクさせられた。
樋永監督は「『マラニカ』はピカソのゲルニカに対抗して名付けました。マラとつくとエロい感じがしますが、決してそんな映画ではありませんよ(笑)。僕の映画は難解なものが多いですが、芸術として受け取っていただきたくてこの作品には『マラニカ』という名をつけた、という意図もあります。」と話す。プログラミングディレクターの塩田氏は、「俳優に存在感がある。」とコメント。それに対し、「実は、詐欺師を演じた増田俊樹さんがやっているワークショップに参加している女優の卵の方達に出演してもらっています。増田さんが彼女達の魅力を引き出してくれて、それをフィルムに残すことができて幸運だったと思います。」と謙虚な姿勢を示した。

(ハヤシ カナコ)