決して型にはまることのない作品を世に送り出し続けてきた鬼才・岡本喜八監督。その監督が愛したゆうばりの地で、多くのファンが支持する作品のひとつである1968年製作の『肉弾』のニュープリント版が上映されることとなった。岡本監督の伴侶でありプロデューサーである岡本みね子さんが「おかえりなさい、みね子ママ!」と迎え入れられ「ありがとうございます」と穏やかな笑顔で応えると、会場からはゆうばりらしい温かな拍手が響く。

上映後には、後藤健二夕張市長が登壇。「岡本監督には、ゆうばり映画祭にはとてもお世話になっており、ゆうばり市民は監督を家族だと思っています」と話した。また、岡本みね子さんと、『肉弾』に出演した大谷直子さんも登壇。岡本みね子さんは「今回、ニュープリント版で綺麗な映像で皆さんに観てもらえて、岡本喜八も天国で喜んでいると思います」と語った。大谷は、撮影中は岡本監督の家から高校に通っていたことや、裸のシーンは学校のすぐ近くで撮影していたことなど、製作秘話を明かした。
また来場した観客らに酒が配られ、後藤健二市長により偉大なる岡本喜八監督へ向けて“献杯”が行われた。
(鈴木知子・村松美和)