またひとつ大友克洋原作の映画が生まれた!それが映画『新SOS大東京探検隊』!!
大友の短編漫画をアレンジした続編3DCGアニメ!大友も作品の出来にはお墨付き。
それもそのはず、かつて大友と共に映画『スチームボーイ』を作り上げたスタッフが集結している。

5月19日(土)新宿バルト9で高木真司監督をはじめとするスタッフが初日舞台挨拶をした。

『スチームボーイ』製作後、実は『スチームボーイ2』という企画が立ち上がっていた。しかし残念ながら中断。次の新しい企画が本作品だったと語る高木監督。「子供達が中心となって冒険し、変な大人達が出てくる大友さん初期の作品、SOS大東京探検隊が好きだったので企画として通させてもらいました。」

脚本を担当した村井さだゆきも企画書を見て面白そうだと話に乗った。「原作は1980年の作品となっていましたので、今の新しい現代の少年達の冒険物語にするか注意して脚本を書きました。」

キャラクターデザイン・アニメーションディレクターの小原秀一は「基本的にすべてCGでやるということで、私が一番気をつけたのは大友さんの世界観を大事にしたいと思って作り始めました。なるべくシンプルにキャラクターを作ろうと思いましたね。」シンプルに作るがゆえに立体性に悩まされた。苦労を重ねた結果、キャラクターが自然に演技する3DCGアニメが誕生した。

苦労は音の面にも現れたと音響音楽監督の百瀬慶一が語った。「音は関係ないんじゃないか思われるかもしれないんですが、キャラクターがフルデジタルになると飛躍的に演出が難しい。セル画より声が絵になじみにくいんです。そこを調整するのが難しかったですね。でもリアルになりすぎずに子供達が楽しめるように作りました。」

新境地とも言えるアニメーションが生まれた。それにしても完成までの苦労を実に楽しそうに語るスタッフ達。まるで映画同様、宝を探しに行く少年達のようだ。

高木監督は技術の話を覆すようで申し訳ないんですけど…と前置きをした上で「技術は話を紡ぐためにあるわけです。映画を見てお客さんが自然にそれを感じるような作品にしたつもりです。」と語った。

(Report:Hiromi Kato)