アメリカのケーブルTV放送用に製作された、13人のホラー監督たちの競作“マスターズ・オブ・ホラー”。その中から、トビー・フーパー監督の『ダンス・オブ・ザ・デッド(原題)』、三池崇史監督の『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜(原題)』が、25日ホテルシューパロにて特別上映された。深夜にもかかわらず、会場は超満員!ホラーファンの熱気が感じられた。フーパー監督作品上映の後、塩田時敏PD、フーパー監督、三池監督、『インプリント』主演の工藤夕貴さんによるトークショーが行われた。
フーパー監督は「“マスターズ・オブ・ホラー”は、自由に撮らせてもたえる良い機会だった。伝統のホラーよりも、世の中がトランジションの時期にある今、ホラーについて考えてもらえるようなホラーを作りたかった」と話す。実は『インプリント』は、テレビ放映禁止となってしまった問題作。「13本て言っておいて、12本しかTV放映しないなんてね。NYタイムズに謝罪文載ったりしたんですよ(笑)日本の映倫も審査拒否。わたしたちの審査の規格外作品ですって言われちゃいました」と三池監督。「企画・台本で通ってるのに、なんで出来上がったら放映禁止?やっぱり、拷問のところが…」と期待を高める発言をする工藤さん。あんなに恐ろしい映画はない、三池さんは素晴らしいと絶賛するフーパー監督は「わざとなんじゃないですか?これは観てはいけませんて言われると、人は観たくなるものですから。DVD化されたときには、皆買いに走ると思いますよ」と。「でも買って観てみて、あーやっぱり観るんじゃなかったってなるのかもね」と笑いつつも、仕上がりに自信を見せる三池監督。工藤さんは「面白かったですよ、インプリント。枠にはめられていなくて。やってみて思ったんですけど、ホラーって難しい。怖がらせるのって、本当に真剣にやらないと底が見えてしまう。自分が本当に痛い思いをして、のたうちまわらないとならなかった。だけど、三池監督の作品だったらまた出たいです!」と楽しそうに語り、オカルトオタクだったという子供時代の恐ろしいエピソードも三池監督がバラしてしまい「怖いよねえ、ほんと」を連発させ、会場の笑いを誘う。 
 それぞれ60分前後と決して長いとは言えない尺だが、かなりずっしりとくる2本。ゆうばり史上、最もショックの大きい夜になったのかも。
(Muramatsu Miwa)