若者から絶大な人気を誇る脚本家・宮藤官九郎とドラマ「ぼくの魔法使い」(03年)で、高い演出力を見せ付けた水田伸生が再び最強タッグを組み製作した前代未到のエンターテイメント超大作『舞妓Haaaan!!!』の完成披露試写会がTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。

今回の試写会は、仕込み、見習いを経て舞妓さんがデビューする言葉“お店だし”にちなんで“お店だし試写会”と題し豪華俳優人らによる舞台挨拶も行われた。
登壇したのは、今作で映画初主演を果たし舞妓しか愛せないサラリーマンを熱演した阿部サダヲ、舞妓とのお座敷遊び常連客のプロ野球選手を演じた堤真一、男に振られた腹いせで舞妓を志すOLを好演した柴咲コウ、主人公が勤める会社の社長役を演じた伊東四朗、脚本家の宮藤官九郎、監督の水田伸生らが参加した。

■舞台挨拶■

脚本家の宮藤は「コメディー映画に仕上がっていると思います。観れば非常に元気になれるんじゃないかな?」と自信なさげに笑いながら話したが、司会者から突っ込まれるとすかさず「自信はありますよ。」と答えた。なぜ舞妓さんをテーマにしたのかという質問に対しては「お座敷遊びは大人の遊びが出来る所とイメージしていました。そこに子供っぽい奴が行ったら面白いかなと思って。」と話しそうした発想からは宮藤独自の思考が感じられた。またハチャメチャな内容だけど、今は現実もハチャメチャだからこの映画の世界は現実にありえると話した。映像は想像以上の仕上がりだと満足している様子。
監督の水田は先月無くなった俳優の植木等さんにとって今作が遺作となってしまい本人に完成した作品を見せられなくて残念だったと話した。しかし、亡くなった植木さんも会場に来ているだろうから一緒に最後まで楽しんで欲しいと冗談を交えながら話した。
今作で初主演を果たした阿部は「果てしないテンションで演じました。ぜひ笑って欲しいですね。劇場で声を出して笑うことが僕は好きです。」と話したが、緊張していたせいか劇中の役とは正反対な落ち着いたテンションだった。
今作ではこれまでに演じたことの無いようなハイテンション役を演じた堤は「撮影が本当に楽しかった。サダヲが出るだけで笑った。」と答え、ハイテンションの役に関してはもともと脚本が凄かったからやらざるをえなかったと笑いながら話した。
『GO』以来2度目のクドカン作品出演となった柴咲は今作出演にあたり宮藤の脚本を読み即出演をOKしたと話し、すっかり宮藤作品に惚れこんでいる様子であった。「現場では阿部さんは静かで監督だけがモニター越しに大笑いしていた。」と和やかな現場であったと笑いながらコメントした。また今作をきっかけに着物の魅力に取り付かれ劇中と色違いの着物2着を購入したとも報告した。
登壇者の中で最年長の伊東は「若者のエキスを貰ってもう少し芸能界で頑張りたい。」を冗談まじりに話し会場の笑いを誘った。映画については非常にテンポの早い映画だから気を抜かないでみるように!!と試写会に来た観客に注意を促した。

登壇者の挨拶が終了し舞台挨拶も終わりに近づいた頃、壇上で堤・柴咲・阿部をそっくりに似せて作られた等身大の舞妓さん人形がお披露目された。柴咲は自身そっくりの人形に対面し「気持ち悪い。」と少々気味悪そうに感想を述べた。一方で阿部はそっくりな人形たちに満足した様子で「僕は気に入っていますよ。」と笑顔で話した。堤は微妙な仕上げり加減の自身の人形に対して「これ、誰だよ!!」と突っ込み、微妙な心境を述べた。

何が起こるかわからない予測不可能“舞妓”ムービー6月16日(土)公開です。

(Report:Eri Ohno)