くらもちふさこ原作の名作漫画「天然コケッコー」が、『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督、『ジョゼと虎と魚たち』の渡辺あや脚本により映画化!ど田舎を舞台に繰り広げられる少女の日常を、リハウスガールとしてお馴染み人気急上昇中の夏帆を主演に迎え、二度と戻らない青春の輝きをスクリーンに描き出す。
今年夏に公開のこの『天然コケコッコー』の完成披露試会が本日26日に行われ、夏帆、岡田将生、夏川結衣、佐藤浩市、脚本の渡辺あや、監督の山下敦弘が登壇し舞台挨拶を行った。主人公の相手役を演じる岡田将生は本作でより一層の活躍を見せる期待の若手俳優で、挨拶では緊張してしまい佐藤浩市に「大丈夫?」と心配されるなど微笑ましい場面もあった。

夏帆:この映画を含め、共演者の皆さんやスタッフの方もすごく大好きです。こうやって皆さんの前に完成した形で見てもらえるのが嬉しいです。(島根県での撮影ですが大変でしたか?)最初はこんなところで一ヶ月も過ごせるのか不安でしたが、皆でホテルに泊まって、夜はトランプをして過ごしたので楽しかったです。共演者の子達とはまるで何年も一緒にいるような感じでした。(この映画の良いところは?)製作に関わった関係者の方が皆『天然コケッコー』が本当に好きなんだと思いました。島根の良いところも出ていて良い作品になったと思います。

岡田:夏と秋で撮影したのですが、監督となかなか会えず最初は大変でした。秋には段々撮影にも慣れ、成長できたと思います。この役は僕自身とはタイプが違い、クールであまりしゃべらないのですが、僕はしゃべり出すと止まらない方です。大自然の撮影は楽しくて心地よかったです。早く撮影が終わることが多かったので、夕方は散歩をしたりするのが一番落ち着きました。

佐藤:この映画には良い痛さと優しい痛さがあります。子供たちの卒業するものを、どこまで表現できるかが勝負でした。等身大で、初々しさがあり、優しい気持ちになれると思います。(現場の印象は?)監督が良く現場を見ていらっしゃいました。10代の時に良い脚本家、良い演出家、監督に出会えるのは凄く大事で貴重な良いことだと思います。衣装についてですが、ステテコなどを着ていて、そうは見えないかもしれませんが、衣装合わせの時は色々と監督と模索しながら物凄く悩んだので、そういうところも見て欲しいですね。(夏帆、岡田の二人の印象は?)夏帆さんも岡田君も確実に良いものを持っています。本当に撮影中もまぶしくて見れなかったです。朴訥としたところが良かったですね。岡田君は、今風の男の子という感じですが根っこにある部分は映画の役柄と通じるものがあったようで、撮影中に発見したりして経験になったようです。

夏川:夏帆さんとは中学三年生の時に初めにお会いして、(夏帆演ずる)そよにぴったりだなぁと思いました。次に撮影で会った時に、水着にホットパンツという衣装に、清々しく、危うく、同じ女性としてドキッとさせられるものがあり、この映画は成功するんだなと感じました。私は主人公のお母さん役で、暖かいお母さんなのですが、佐藤さん演じるお父さんは原作に負けずアツかったです。

山下監督:(現場の印象は?)合宿での撮影だったのですが、すぐ夜になってしまい、子供たちが多いため、夜は一人でお酒を飲んだりとかしていました。凄くゆったりとした空気が流れていました。(夏帆さんについて)当時役と同じ中学三年生で、ラストシーンで役柄と本人が交じり合った場面があり、これは凄いものが撮れたな、と思いました。

渡辺あや:原作のファンだったので、完璧な原作を素晴らしさを守りつつ映画化するというのにこだわりました。こうやって完成できて嬉しいです。

挨拶後の撮影では、佐藤浩市が「ムービーは動かないとね!」と指示するなどベテランぶりを発揮し笑いを誘った。最高のスタッフと瑞々しい魅力のキャストが贈る、きらきらとした懐かしい匂いの感動作、夏休みに公開です。
(池田祐里枝)