2007年4月14日、テアトル新宿にて映画『恋しくて』の初日舞台挨拶が行われ、中江裕司監督と石田法嗣くん、そして3500人の中からオーディションで選ばれた主役の東里翔斗くんとヒロインの山入橋佳美さんが登壇しました。

最初の挨拶では、中江監督がうちなんちゅ(沖縄内地の人)の言葉でさらりと自己紹介。「沖縄で映画を撮っている者です。」という内容を言ったそうで、あまりに自然な発音で、監督の沖縄に対する愛を感じる一面でした。

続いての挨拶は緊張気味の石田くん。「『恋しくて』を観て、石垣島の魅力を味わって下さい。1回じゃなく何度も観てください。…精一杯です(笑)。」と照れた様子に会場から温かい笑い。そして主役の東里くんは、監督のうちなんちゅ言葉に突っ込みを入れつつ「石垣島の人の温かさ、自然の豊かさが外から見てわかった。」と地元である石垣島に対する心境の変化を明かしました。

最後に紅一点の山入橋さんは、落ち着いた様子で「(作品中に登場する)人とか歌が面白いので注目して欲しい。」と語り、出演者の3人は、会場の多くの人を前に照れながらも、日焼けした肌にキラキラとした目で挨拶を終え、爽やかで初々しい姿が印象的でした。

4人の挨拶が終わり、続いては映画に原案・楽曲提供として参加しているBEGINが登場。映画のタイトル『恋しくて』も彼らのヒット曲を元に付けられたもの。

ギターの島袋さんは「石垣島の記録映画のようになった。監督の人の良さがにじみ出ている映画なので是非楽しんで欲しい。」、ピアノの上地さんは「テレビや雑誌より、1歩も2歩も石垣島を魅力的に映している。人臭さ、空気感を感じて下さい。」と挨拶し、ボーカルの比嘉さんは「99%見てほしい気持ちで、1%は見ないでほしい(笑)。本当にお世話になった楽器店の人や学校の先生が出てきて気恥ずかしい。映画が終わっても、映画の中の世界は今も進んでいて、永遠に終わらない映画だと思う。」
と映画に対する思いを熱く語りました。

そして今回はなんと都内に2000店もある沖縄料理店からの店主が応援に駆けつけ、沖縄の三味線や太鼓を持ち、沖縄民謡の「安里屋ユンタ」を演奏しながらの登場。会場も手拍子でそれに答え、一気に会場は沖縄ムード!!

『ナビィの恋』でも登場した沖縄民謡の「19の春」を監督からの指名で東里くんがマイクを持ち会場中で大合唱。気分が盛り上がった監督から、アドリブで「歌詞覚えてるんだろ。炭坑節の石垣バーションを歌って。」と東里くんにご指名が。「あれ、歌詞忘れちゃったかも。」と言いながらも、監督の期待に答え手拍子に合わせて2番まで歌いきってくれました。

「炭坑節の石垣バーションはラブソングだから返事として空手の型を披露しないと」というまたもや監督の愉快なアドリブに対して「えっ、本当にやるんですか?」と言いながらも、山入橋さんは堂々とかっこいい空手の型を披露してくれました。

監督のアドリブと沖縄の音楽で会場の緊張はほぐれ、とっても温かい雰囲気となり、最後は沖縄民謡の「トーシンドーイ」を会場全体で歌って踊り、監督も舞台から見事なジャンプで飛び降り、楽しそうに客席で歌い踊っていました。沖縄の温かさ、監督の作品・沖縄に対する愛が感じられる舞台挨拶でした。

(文・ユイタ 写真・コヤ)