『リング』シリーズの原作者で知られるベストセラー作家・鈴木光司による短編小説「夢のクルーズ」(角川ホラー文庫「仄暗い水の底から」所収)に、Jホラーの先駆者・鶴田法男監督が挑んだ新たな恐怖と怪奇に満ちたネオ怪談映画『ドリーム・クルーズ』の完成記者会見が4月6日(木)角川映画大会議室でおこなわれ、監督の鶴田法男と出演の石橋凌が参加した。

■鶴田監督・石橋凌さんからのご挨拶■

鶴田監督「初の全編英語劇という事でだいぶ撮るのに緊張したのですが、優れた役者さんたちによって楽しい作品に仕上げる事が出来ました。」

石橋さん「昔は組関係の映画が多かったのですが最近は別の意味で怖い役が増えてきました(笑)。今作品は、鶴田監督始め、木村佳乃さん、ダニエル・ギリス、蜷川みほさんとごく少人数でおこなわれましたが、現場は熱があってとても楽しかったです。」

■質疑応答■

Q初の英語劇の演出についてどうでしたか?

A 鶴田監督「今作品はハリウッドから来たのはダニエルのみだったから心配ないかなと思っていたのですが、いざ木村さんと石橋さんたちの英語劇を見てみるとまるでハリウッド映画を観ているような気持ちになり戸惑いました。しかし、二人がサポートしてくれたので現場を楽しめました。」

Q今作品は東京の海が舞台のアメリカ映画という事ですが、アメリカのファンと日本のファン、両国のファンに対する折り合いはどのようにつけましたか?

A鶴田監督「今までの作品は風景などで日本らしさにこだわってきたのですが、今作品は船の中が舞台だったので日本らしさが出しづらかったです。だから脚本を作っていく中でストーリー的に日本っぽいのを作ろうと思いました。日本の怪談の怖さである<幽霊よりも人間の方が怖い>など人間のおぞましさを出すことで日本らしさを出すことが出来たと思います。ストーリー上で日本らしさを出すことで外国人には目新しく映り、日本人にはなじみがあるのではと思い作りました。」

Q共演のダニエルさんの印象は?
A 石橋さん「彼は非常に熱心な人ですね。アメリカの俳優はみんなプロフェッショナルでパフォーマンスへの執着が凄いですね。アメリカでは監督とのディスカッションなどは当たり前のことで彼がどう考え、行動するかはとても勉強になりました。」

Q今作品でハリウッドデビューする木村さんの印象は?

A 石橋さん「バイリンガルな方で本読みの段階から非常に流暢でしたね。スムーズにダニエルとも会話をしていて羨ましかったです。」
A 鶴田監督「さばけた女優さんという印象を受けました。英語の会話の中にもしっかりと自然に日本らしい女性を垣間見せてくれました。」

(大野恵理)