目が見えず、耳が聞こえないという障害がある北崎絹子(78歳)の小さな家が、山口県のある地方の雑木林の中にひっそりと建っていた。ヘルパーの協力を得ながらも、一人で自立して生活している絹子の家に、リストカットを繰り返し、若い人生に終止符を打とうとしている山口祐介(15歳)がやってくる。
一人で何でもこなす絹子の生活ぶりや、前向きな姿に祐介は自分を見つめ始める。「みんなちがって、みんないい。」と金子みすゞの詩を明るく口ずさむ絹子のたくましい生き様に、強く惹かれた祐介はある決心をする。

盲聾の老女と、生きる意味を見失った少年の偶然の出会いから始まる感動の物語『ヘレンケラーを知っていますか』が、3月24日(土)銀座シネパトスにて初日を迎え、今回本作にて15歳から78歳までを見事に演じきった主演の小林綾子が舞台挨拶を行った。また、舞台挨拶後には本作のPR大使を担当している「女劇 TOKYO23KU」による、今回の映画の重要なテーマとなっている金子みすゞの詩「みんなちがって、みんないい。」の手話イベントも行われた。

■主演の小林綾子よりご挨拶。
「初主演という事でスゴク嬉しいです。この作品は、台本を頂いた時点で是非やりたい!と思いました。盲聾の役という事で不安もありましたが、撮影の前に盲聾の方に、お会いさせて頂いたんです。その方は、スゴク明るく朗らかでしたが、人生を辞めたくなったこともあった!というお話もされていました。その苦労や、辛さを映画でどれだけ表現できるかという点で頑張りました!撮影のカメラテストでは、まず目を閉じて挑戦しました。でも耳にはどうしても音が入ってきてしまうので、なるべく集中して演技しました。今回は、15歳から78歳までを演じましたが、特殊メイクなどは使わず、かつらを付けたり、腰を曲げたり、声のトーンも下げて表現しました。最近は、辛いニュースも多いですが、この映画を通じて人を思いやる気持ちや、優しさを感じて欲しいです。」

舞台挨拶後には、「女劇 TOKYO23KU」から主演の小林綾子さんへ花束が贈られた!!

その後、総勢11名の「女劇 TOKYO23KU」による手話イベントが行われた。
本作のPR大使も務める「女劇 TOKYO23KU」とは、女子高生からフリーターまで10代、20代の女優で構成される女性だけの劇団である。

「女劇 TOKYO23KU」による、手話指導のもと詰め掛けた観客も参加し、皆で「みんなちがって、みんないい。」の手話に挑戦。心暖まるイベントとなった。

(Izumi Masunaga)