今年で31回を迎えるアジア最大の映画祭「香港国際映画祭」(3/20〜4/11)に、ベルリンに続き『さくらん』が「特別招待・プレミア部門」で正式出品された。この部門は、日本以外のアジア圏で初上映される作品のみが選出される部門である。『さくらん』はこの部門の“オープニング作品”として映画祭から招待を受け、レッドカーペット・セレモニーでは蜷川実花監督、安藤政信、木村佳乃が映画祭に花を添え、同日、映画祭初日の3/20の夜でのオープニング上映では、舞台挨拶が行われた。

また、今回の映画祭では、伝統のある香港映画祭の30周年を記念し、今年から「亜州電影大奨/第一回アジア・フィルム・アワード」が行われることになった。これは最も優れたアジア映画を称える為に設立された賞であり、香港映画は勿論のこと、中国、台湾、韓国、そして日本と、アジア圏全域にわたる映画を対象とした賞はこれが初めてだ。
部門は10大部門からなり、今年は日本映画が多数ノミネートされた。『明日の記憶』の渡辺謙、「最優秀女優賞」に中谷美紀『嫌われ松子』と宮沢りえ『花よりもなほ』、「最優秀脚本賞」に『デスノート』などが並び、まさに錚々たるメンバーが、肩を並べた。その、アジア映画の最高峰を発表するプレゼンターとして、蜷川実花、安藤政信、木村佳乃が堂々登壇した。

☆レッドカーペット・セレモニー
香港を最大規模を誇る「ホンコン・コンベンション・センター」で幕は切って落とされた。有名なビクトリアハーバーの港の突端に海に浮かんでいるように建造された巨大イベント多目的ビル(ビッグサイトのようなものが海の上に浮かんでいるイメージ)だ。

その正面入口にレッドカーペットが敷かれ、有名人が次々と歩き、(さすがアジアだけに歓声がすごい!)マスコミ500名、一般ガヤ600名の視線の中歩く。
さくらんチームは、イ・ビョンホンの次に歩いた。

特に木村は、テレサ・テンを演じた(5月テレ朝オンエア)ということがすでに話題になっており、レッドカーペットを多くのマスコミから呼び止められ、インタビュー攻めを受けた。

入口を入り、真正面の真っ赤なアワード巨大看板の前で約10分(!)にわたるフォトセッションを受けた。
さくらんチームの次はカレン・モク(『80デイズ』『クローサー』『少林サッカー』)、そしてトニー・レオン(『2046』、『インファナル・アフェア』、『HERO』)という豪華メンバーが続いた。

※ちなみに、到着した空港からすでにマスコミ20人に取り巻かれ、車までインタビュー攻めの有様。

☆アジア・フィルム・アワード
香港コンベンションセンターの中にある一番大きな「グランド・ホール」(ちょっとしたスタジアムのような感じ)にて授賞式が開始された。
約3000人の場内(映画関係者2000人と一緒1000人)は当然のことながら、アジア中の異様な熱気に包まれていた。
開会宣言をトニー・レオンが行う。

会場の前の2列の座席には有名監督とスターが並んでおり、アンディ・ラウ、ミシェル・ヨー、リュック・ベッソン、チャン・チェン、トニー・レオン、カレン・モク、イ・ビョンホン、ソン・ガンホというそうそうたるメンバーと並んで座っているさくらんチーム圧巻!
さくらんチームは編集賞のプレゼンターで、日本人唯一の、まさに日本映画界を代表して参加した。
アカデミー賞のような大階段を3人が下りてきて発表あらかじめ映画祭側が用意した台本のコメントを木村が英語で読み上げた。

木村:「編集賞を発表します!編集の力は絶大です。最近大ヒット作「インファナル・アフェア」の3部作(4時間30分合計時間)をマーティン・スコセッシがリメイクして2時間の映画を作りました。ハリウッド・エディターと香港エディターのうまさはいかに!?それは一目瞭然、映画を見ればわかりますネ!(英語)」

と会場で大きなウケをとった。そして受賞者に安藤がトロフィーを渡した。

女優賞は中谷美紀、男優はソン・ガンホ(グムエル)が受賞した。

☆オープニング上映
チケットは、15日には既にソールドアウト!
会場は、香港ならびに世界中の映画ファン・マスコミで溢れかえり、会場前には800人の長蛇の列会場を取り囲んだ。
上映前の舞台挨拶には、作品を代表して蜷川監督・安藤政信・木村佳乃が登壇。
満員の観客に向けて、以下のメッセージを残した。

蜷川監督:「ダン・カン・ホー!(広東語にて挨拶)私は香港が大好きで、今まで10回以上来ています。そんな大好きな香港で、私の作品が招かれて本当に幸せです!今夜は楽しんでください!」

木村佳乃:「美しく、エキサイティングな映画のアジア初上映を皆さん楽しんで、一緒に興奮してください!先ほどアジアン・フィルム・アワードのプレゼンターを日本代表として務めさせて頂きましたが、突然渡された台本だったので、緊張しました!」

安藤政信:「香港は初めて訪れます。みんな熱があって凄いですね!(場内観客より歓声!と拍手)また自分の映画を持って来たくなりました。今日はありがとうございます!」