ビョークなどのミュージッククリップを次々と手掛け、またCFでも才能を発揮してきた映像の魔術師ミシェル・ゴンドリー監督が『恋愛睡眠のすすめ』の記者会見を行いました。

Q:日本についての感想とフランス映画祭で映画が上映される事について教えてください。
A:再び日本に来れた事もフランス映画祭に参加出来る事も嬉しく思います。東京に来るのは今回で3回目で、皆さんとても礼儀正しくてプレゼントもいつもたくさんいただきます。来年も息子と来日したいと思っています。

Q:レッドカーペットでファンの方と接しましたが、日本のファンの方はいかがでしたか?
A:ファンの方は、会いたい、話したいと思ってくださっているんですが、すぐに移動しなければいけないので短い間しか過ごせなくて非常に残念です。

Q:手に持っているノートは何ですか?
A:通訳を介しての取材になると訳している間、待たなければならない空白の時間ができてしまうので、その合間に記者の方たちの絵を描いています。

Q:この物語の発想はどこから来たのですか?
A:自分の夢に対して色々感じる部分があるんですが、自分の見る夢は鮮烈なものが多く、起きても覚えているんです。それに、例えば悪夢を見て起きて「夢でよかった」と思うのに、また眠るとその悪夢の続きを見てしまうんです。また、夢から覚めて起きてもまだ夢の中にいるような感じになってしまうこともあります。そういうところからステファンというキャラクターを作り上げました。

Q:監督がシャルロット・ゲンズブールを起用した理由は何ですか?
A:シャルロットはフランス映画界からちょっと一歩外にはみ出しているような気が個人的にはするんです。社会から離れて、自分のルールで生きていく事が出来る、そんな女性像だと思いステファニーにとても近いと思いました。

Q:ガエルを起用するにあたって監督自身との共通点があったのですか?
A:ガエルを選んだ時に一番大きな問題となったのは、彼がハンサムだという事です。自分自身と考えてもいい主人公がハンサムなので皆さんに「自分の事をハンサムだと思っている」と思われたくなかったんです。(笑)
でも人間的に惹かれるところもあり、監督として彼を起用したいと思いました。

Q:ミュージックビデオで使えそうなアイディアがたくさんありましたが、何かエピソードはありますか?
A:自分が今まで手掛けてきたPVは全て夢を映像化したものです。ある日、自分に浮かんでくるものを映像化せずにはいられなくて。それを色々試行錯誤しながら作っていったものがPVなんです。この映画の主人公ステファンの頭の中のシーンでは、俳優たちとの撮影に入る8ヶ月前にアニメーションなどのシーンを2ヶ月間かけて作りました。街並みはトイレットペーパーの芯を使って作られているんですが、そのトイレットペーパーの芯を友人や家族にお願いして集めました。トイレ繋がりで一言付け加えたいのですが、日本のトイレは本当に素晴らしいと思います。(笑)

記者会見の最後に、監督は会見中に描いていた絵を見せてくれました。知らずのうちに自分の姿を描かれていた取材陣はびっくり!そんなおちゃめなゴンドリー監督による『恋愛睡眠のすすめ』は、3月17日14:00〜(お台場シネマメディアージュ),19:00(TOHOシネマズ六本木),3月20日16:45〜(TOHOシネマズなんば)にて上映!!

(koya)