『魔女の宅急便』『となりのトトロ』『もののけ姫』などで知られる、宮崎駿監督の世界を楽しめる美術館として、2001年に開館して以来、様々な企画展示や講演会などで訪れる人々を楽しませてきた、三鷹の森ジブリ美術館が世界の優れたアニメーションを自ら配給して紹介する事業を開始した。その第一弾がこの『春のめざめ』である。本作は、美術館で鑑賞するような、油絵がスクリーン上で感情豊かに動き出す“ガラス絵手法”とよばれる作品である。

16才の少年アントンが好きになったのは、同じ年頃の少女パーシャと25才のセラフィーマ・・・。アントンは、初恋を通じて“聖”と“俗”が入り混じる現実の大人の愛を体験する・・・。

監督は、前作『老人と海』でアカデミー賞短編アニメーション部門賞を獲得した、ロシアのアレクサンドル・ペトロフ監督である。

『春のめざめ』の公開を記念して、3月4日(日)三鷹市芸術文化センターにて作家のあさのあつこさん、俳優の阿部サダヲさん、三鷹の森ジブリ美術館の中島館長らによるトークショーが、『春のめざめ』上映後に行われた。

プライベートでも、よく三鷹の森ジブリ美術館に訪れるという阿部さんは「ジブリ美術館の場所と雰囲気がすごく好きなんです。一番好きな作品は『天空の城ラピュタ』です!!」とジブリ好きを告白。一方のあさのさんも「長男が物凄いジブリ好きなんです!というかジブリオタクなんです」とコメント。
『春のめざめ』についての感想を聞かれ、阿部さんは「とにかく油絵が動くっていうのが興味深いですよね。絵がどんどん変わっていくのがスゴク好きなんです!自由な感じが僕の頭と似てるな〜と思います!妄想するのも30分で丁度イイですし!!」と観客を笑わせた。

思春期の少年の恋について、あさのさんは「少年が抱く女性への憧れってステキですよね!!女性はもっと現実を見てますから!!」とコメント。

某テレビ番組でアニメーション製作にチャレンジしたことのある阿部さんは「作っていくうちに、主人公の事を好きになっていくんですよね!どんどん感情移入しちゃってました!!機会があれば、人形アニメとかやってみたいですね!」とすっかりアニメーションの世界に魅せられたご様子。

中島館長も「チャレンジしながらアニメーションを通じて、次世代の方へメッセージを伝えていきたいですね!!」とコメントした。

また、トークショーでは、ゲストの方それぞれの初恋話や失恋話、思春期の頃のエピソードなども飛び出し、楽しいひと時となった。

思春期の少年の移り行く心情が、淡い色彩に彩られ、作品を観た誰もがその美しさに圧倒されるはず・・・・・。

『春のめざめ』は3月17日(土)より、シネマ・アンジェリカにて公開である!!

(Izumi Masunaga)