『鰐(ワニ)』『魚と寝る女』『サマリア』『うつせみ』『弓』など数々の衝撃的な作品を世に送り出し、いずれも世界的に脚光を浴び称賛されている、“異常天才”キム・ギドク監督の最新作『絶対の愛』が3月より公開される。それを記念してキム・ギドク監督の劇場未公開作品を含む11作品が一挙上映される、レトロスペクティヴ『スーパー・ギドク・マンダラ』が2月24日(土)初日を迎え、開催場所であるユーロスペースにてキム・ギドク監督による舞台挨拶が行われた。

当日は、立ち見客が出る程の大盛況!!キム・ギドク監督の日本での注目の高さが伺えた。

今回は、13作にして最新作、世界有数の整形大国といわれる韓国の整形事情を下地に生み出された究極の愛を描いた『絶対の愛』、そして本日の舞台挨拶後に上映され、日本では初公開となる、北朝鮮の脱走兵と画家の2人が必死に生きようとする姿を描いた『ワイルド・アニマル』について語ってくれた。

【『絶対の愛』について】

・顔が似ている!という発想
「この物語の設定は、元々スペインの映画祭で観た作品の中に、2人の男女が出てきて、あまりにも似ていてどっちがどっちだか分からなくなってしまった事があったんです。それを観て、顔が似ている2人を主人公にした作品にしようと思いました。」

【『ワイルド・アニマル』について】

・作品を撮ろうと思ったきっかけ
「1990年にお金も持たずに、物乞い同然でフランスに行き、大変つらい思いをしました。その時の思いを映画にしました。」

・物語の設定について
「90年の頃は、今とは違い、南と北は近づけない状態でした。フランスのパリから北朝鮮を眺めた際、和解させたいと思いました。ですので、キャラクターも南は、資本主義の詐欺師のような設定の人物で、北はマフィアのような設定で両者を衝突させたかったんです!!『JSA』の低予算版だと思ってください(笑)」

・フランスの撮影での苦労
「ストリップショーに出てるような人達が住んでいる所で撮影してたんですが、パリの警察官に何度も“ここで撮るな!!”と怒鳴られました。その度に“フランスは芸術の街なのに何故ダメなんだ!!”と抗議してました」

最後に「映画がつまらなくても許してください!でも思ったよりは悪くないと思いますよ!!」とコメントし観客を笑わせた。

続いてのマスコミによる囲み取材では『弓』について聞かれ「『ポンヌフの恋人』『羊たちの沈黙』からインスピレーションを受けました!!」とコメント。また、“監督はいつもキャップを被ってますが何か理由があるんですか?”との問いに「フランスでお金がなく画家をしてる時に、人に気づかれたくなくて、その時の強烈なコンプレックス・劣等感を隠すためにキャップを被ってたんです・・」と厳しい苦労時代の話を語ってくれた。そして、思わず涙ぐむギドク監督。

そんな不遇の時代を経たギドク監督だからこそ、映画への熱き思いが数々の話題作を生み出し、今もなお世界的称賛を浴びつづけているのだろう。

レトロスペクティヴ『スーパー・ギドク・マンダラ』は3月16日(金)まで開催中である!!何をも超えるギドク監督の想像力を是非、劇場にて感じてみては!!

(Izumi Masunaga)

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