2月3日(土)シネマート六本木にて『スターフィッシュホテル』の初日舞台挨拶が行われました。

——…これは現実か、それとも悪夢の延長か…——

ありきたりの日常の中、突然訪れた奇怪な恐怖。
謎の女に妻の失踪。悪夢、殺人。
それはすべていつも愛読していた人気ミステリー作家の新作に書かれていた。
新作の名前は“スターフィッシュホテル”

平凡なサラリーマンである主人公の佐藤浩市、突然失踪した主人公の妻役の木村多江、
謎の女役のKIKI、脚本も手がけた日本在住のジョン・ウイリアムズ監督、映画中に出てくる謎のウサギ男も“スターフィッシュホテル”の本を持って登壇しました。

Q.製作のきっかけについて
ジョン監督「名古屋に12年近く住んでいて、東京に出てきたときに電車に乗ったんです。中央線の中で皆本を読んでいた。それがきっかけです。中央線のおかげですね。」

Q.古典的な日本の怪談話と“不思議の国のアリス”の二つのモチーフについて
ジョン監督「ボクも“不思議の国の日本”に来て色んなうさぎに惑わされていますよ(笑)日本の文化として怪談は興味があった。小泉八雲や『鬼婆』、『藪の中の黒猫』。そういうのを撮ってみたかった。」

日本在住だけあって日本語がとても流暢です。もちろん通訳なし。
ジョン監督はすでに脚本の段階から主人公を佐藤浩市さんと想定して描いていました。

Q.脚本の感想は?
佐藤「大変おもしろかったですね。1から10まで伝える映画もありますが、小さな石だけをスクリーンから観客に投げる映画もある。この映画は後者ですね。受け手が自分の人生とフィードバックして受け止める映画です。」

Q.佐藤さんと夫婦役について
木村「夫婦の距離感がわからなくて。佐藤さんとなるべく話さないようにしました。気にして目で追うんですがしゃべりませんでした。役作りに関して悩みましたね。監督は納得するまで説明してくれました。すごくコミュニケーションがうまくて役者を大事にしてくれました。日本人より日本人っぽい監督です。(笑)」

Q.謎の女という役柄・体当たりの演技について
KIKI「すごく難しかったです。でも満足できる演技ができたと思います。色気がないと言われたこともありました。普段男の人を惑わすことなんてなくて(笑)ストリッパーの方に話を聞いたりもしました。」

Q.最後に一言
佐藤「監督のジョンが、ある種日本の民族性に自分の感性をねりこんだ作品です。是非お友達におススメしてください!」

本格ミステリーの物語でありながら、とても幻想的で優美な世界観で監督の感性は表されました。
物語も映画の美術も監督も和洋折衷の『スターフィッシュホテル』
不思議な世界に迷い込んでみたい方、劇場という穴の中に飛び込んでみては?

(hiromi kato)