生誕120年を迎えた耽美派の文豪、谷崎潤一郎の短編小説の映画化作品が登場!この作品では舞台を現代に置き換え新しい物語が語られる。
舞台挨拶には『MOON CHILD』や『サンクチュアリ』の奇才、瀬々敬久監督、ヒロインの川島令美、さらに『ホテル・ハイビスカス』や『県庁の星』で今要注目の和田聰宏、光石研が登場した!

物語:妻子ある男性との不倫に破れ、出会い系サイトのサクラをしている女アサミ(川島令美)。妻子と別居して家を出て、今日を生きるために自己啓発セミナーの勧誘をしている男、二ノ宮(和田聰宏)。穢れた過去を贖罪し、救いを求める二人は偶然に出会った。自らの選択で刺青を彫ることを決意したアサミは天才彫師・彫光に肌を委ねる。やがて彼女の背中には見事な女郎蜘蛛の刺青が躍り、それは彼女自身を劇的に変えていく・・・。刺青は二ノ宮の生き方をも大きく変える。やがて刺青に翻弄される男と女たちの運命は大きく揺らぎ始めた・・・。

Q:この作品はどういったところから生まれたのですか?
A(瀬久):佐藤寿保監督が同じ原作で撮ってヒットしたので私にも会社のほうからすぐ撮って欲しいと話がきたのです。こういうことは言わないほうがいいのかな(笑)?それで脚本家の井上紀州と喫茶店で打ち合わせをしていたとき隣のテーブルで若い男女が話をしていたんですね。彼女に「あなたは変われる」とか「このままじゃいけない」とかいっていて、興味深く聞いてるとどうやら自己啓発セミナーの勧誘だと思い当たった。それで男の主人公はこれでいこうと決めました。一方のヒロインは出会い系サイトのサクラでいこうと決めました。

Q:川島さんは見事な刺青を背中に彫られますがどんな気分でした?
A(川島):あれは本物ではありません。寝て入れてもらってたのですが現場で鏡を見て驚きましたね。自分の中で一つのものとして結実するというのはおもしろい経験でした。アサミが強くなっていく気持ちがわかりました。

Q:この役を演じるにあたって初めどんな印象でしたか?
A(和田):気持ちの変化の流れをつかむのが難しかったですね。アサミ同様どんどん変化していくキャラクターなので。でも監督がうまい具合に導いてくれました。

Q:最後に一言お願いします。
A(川島):現代を映し出す作品になっていると思います。いろんなものが溢れている現代の社会で足掻いて生きている人々を描いているので、こんな現代に生きている人たちにぜひ観て欲しいですね。

(oki)