”本来の人間の奥深さを描きたかった”『妖怪奇談』初日舞台挨拶
体の一部に想いを入れるあまり、その部分が進化して妖怪になってしまった3人の女性を描いた亀井亨監督『妖怪奇談』が、1月13日、渋谷アップリンクXにて公開初日を迎え、監督、宮光真理子、伴杏里、市川春樹が舞台挨拶を行った。
ろくろっ首や、のっぺらぼう、かまいたちと、姿形は妖怪へと変わってしまった3人の女性だが、「その精神面は人となにも変わらない。」と監督が語るように、生きていくことに苦しみを抱える人間の感情を映し出したのが本作。やはり姿が妖怪に変わるということで、さまざまな特殊メイクが施された。大きな爪をつけ、かまいたちを演じた伴杏里は「約1日、食事も何もできませんでした」と語り、のっぺらぼうを演じた市川春樹は「大好きなおせんべいも食べられず、なのにすぐ側で誰かがおせんべいをボリボリ食べている音が聞こえてきて、よだれが出てきちゃいました(笑)」と苦労話を語った。
ろくろっ首を演じた宮光真理子は、妖怪に変わってしまった人間を演じたことでひとつの考えが身についたと言う。
「外見は確かに妖怪の姿でしたが、そのことはあまり意識しませんでした。それよりも、普通の人間ととても近い状態なのではないかと。私だって別じゃない。ただ体に表れていないだけで、同じ悩みを抱えている人が周りにもたくさんいるはずだと感じます」
(林田健二)