あなたはお兄さんを好きになったことがありますか?
男友達に憧れや恋をしたことがありますか?
もしそんな経験があればこの作品に必ず共感できるはず・・・。
甘酸っぱい青春の1ページを瑞々しい感性で描いたのがこの『スキトモ』。

『あしたはきっと・・・』で吹石一恵を見事に演出した青春映画の旗手・三原光尋監督と、血の繋がらない妹と幼馴染の男友人に恋心を抱かれるという蒼井智和役の斎藤工が初日舞台挨拶に登場した!

まず今作の撮影が去年の夏に行われていたことから、作品内の時間は夏。海に花火に砂浜と夏に欠かせない要素がこれでもか、と詰め込まれている。その点について監督は「やっと公開という感じですし、今が真冬なので変な感じですねぇ。お客さんには寒い中来ていただいて映画を観ている間は暖かい気持ちになって頂けたらと思います」と答えた。
  
「オススメのシーンは?」との質問にまず、今出演中の舞台の関係でコーンロウへと髪型の変わった斎藤は「あの後、智和はこんな髪型になってしまいました(笑)。花火のシーンは個人的に大好きです。皆さんの子供時代や故郷の思い出に帰ることのできる素晴らしいシーンになっていると思います」と話し、監督は「お尻、いやシャワーのシーンですねぇ(笑)。男の子のシャワーシーンは初めてだったので変に緊張しましたですわ」と答えた。

なんでも斎藤はボクシング選手の役を演じるために事前に食事制限や筋肉トレーニングを行っていたという。そのことに関して斎藤は「スタッフ側からは特に指示はなかったんですけど、やはりプロとして当然のことなのでストイックになってみました」と照れながら語った。

最後に斎藤は「今年は年明けから兄弟の残忍かつ残酷な事件が報道されました。今の時代何かがねじれている気がします。そういったことを考えるとこの映画は今のような時代だからこそ必然的に出てきたものだと思います。愛よりも好きというもう少し気軽に持てる感情を持っていたらそんな事件は起こらなかったであろうし、もっと平和な国になるだろうと思います」と今の時代にこの映画が伝えるメッセージを代弁した。
また監督は「今はCGとかノリの映画などが多く出ています。でも僕は人の関係の映画を作りたい。他人を思いやる気持ちや憧れ、嫉妬などの感情がいいものを生むと考えています。決して押し付けるわけではなくこういうものもあると思って観て欲しいですね」と締めくくった。

今回の舞台挨拶は監督が関西出身ということもあってか笑いの耐えない、フレンドリーなものであった。そこからこの映画が監督や斎藤の人柄から生み出されたことが窺える。ぜひ皆さんも「愛よりも好き」という感情を味わいに劇場へ足を運んでみてください!

(oki)