12月9日から12月15日まで開催されたシネマート・シネマ・フェスティバルのクロージングを飾った『素敵な夜、ボクにください』の上映に中原俊監督が駆けつけ、舞台挨拶を行なった。

——監督はラブコメディーは今まで作っていますか?
たくさん作っていますよ。ラブコメディーというジャンルという形では意識したことがないんですが、映画は愛と笑い、サスペンスなんですけど、何をやってもラブとコメディーは僕の映画の中に入ってきちゃうんですよ。

——この映画は運命的に監督の下に来たんですか?
そうではなかったらしいですね。昨年の暮れ、突然プロでデューサーの小沢さんに「カーリングと韓国と青森」の三大話なんですが、何とかなりませんかね?」と相談されて、青森ならなんとかなるよって言ってはじめたのがこの映画です。

——韓国人のキム・スンウさんとはどのようなコミュニケーションで演出をされていたんですか?
キム・スンウ君が「僕は若いから日本語すぐ覚えますよ」と言って結構覚えたんだけど、なかなか映画の内容の話まではできなくて、僕もできなくて、韓国の映画はもともと日本の映画界の人間が作っているので「切り返し」などの言葉は分かってくれるので問題ないんですけど、映画の内容になると難しいところでもあり、それがよその国の人とやる楽しさでもありました。キム・スンウ君が、「今度は僕日本人の野球選手がやりたい」と言って、「それはちょっと無理だよ。野球はできるかもしれないね。」という話をしました。映画が終わった後はやっぱり日本人じゃなくて、韓国人の役をやろうと思ってると思いますけどね。

——カーリングの選手としてチームを組んでやるわけですが、ヒロインの吹石さんをはじめ個性的なキャラクター、カーリングの選手を演じた4人にはどういった演出をされたんですか?
あんまり僕は細かいことは言わないんですが、吹石一恵さんには大人の女をやってください、関めぐみさんにはできるだけいいかげんにやってくださいといったら、「わー、うれしい」と言っていましたね。占部房子さんは地獄のように大変で、韓国語とカーリングと、君ならできるだろうっていって放っておきました。
枝元萌さんは一番気合入れましたね、舞台で活躍している方なんですが初めての映画出演ということもあり、「君と飛坂くん二人で映画のできは決まるんだ」、と渇を入れておりました。

——トリノ冬季オリンピックで日本全国を“チーム青森”が熱狂させていました
それが大変だったんですよ。この作品のお話頂いたのは12月くらいで、カーリングは誰も知らない競技だから適当にやって撮ってればいいかなと思ってたんですけど、1月になりましたらトリノオリンピックが始まって大人気になりましてね、慌てて勉強して撮りましたが、結果としてはカーリング協会からお褒めを頂く、分かりやすいカーリング映画になっていると思います。

——広瀬香美さんの「サプライズ未来」という主題歌を聞いていかがでした?
広瀬さんは元気の出る歌です。この映画も元気の出る映画のつもりですので一致しまして、映画を一旦つなぎ終わってから作っていただいたので、映画のイメージで作っていただいたのだと思っております。

——最後に見どころをお願いします
お願いです。この映画は喜劇なんで、おかしいと思ったら間髪入れずに笑ってください!笑っていただかないと映画が腐っちまいますので。
(M.NIBE)